【高松宮記念】G1で実現!金浜父子担当馬対決

[ 2021年3月26日 05:30 ]

<高松宮記念>厩舎周りで運動するレシステンシア (撮影・亀井 直樹)
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 息子よ、全力で戦おう。レシステンシアを担当する金浜裕之厩務員はキャリア38年の超ベテラン。昆厩舎所属の息子・充志(あつし)助手はライトオンキューを手掛ける。なんとぜいたくにもG1で父子の担当馬がぶつかる。父は「まさか、こんな大きな舞台で一緒に走る時が来るとは」と胸を躍らせた。

 18歳で競馬の世界に足を踏み入れた父は28歳で結婚。その4年後に息子(充志助手)が誕生した。一時はジョッキーを目指してJRA競馬学校の騎手課程に入学した充志助手は、成長期を迎えて体重の維持が難しくなり、厩務員課程に編入。父は「騎手の道は諦めたけど、一生懸命に頑張った結果が今につながっている。あのまま競馬から離れないで良かった」と当時を振り返る。

 「苦しい時期もあったと思うが、調教助手として息子もキャリアを重ね、技術が上がってきた。もう僕が教えることはないだろうね。ただ、レースとなれば簡単に負ける訳にはいかない。G1は甘くないぞ、と言うことを教えてあげます」

 常に明るく、サービス精神旺盛の父と違って息子はちょっぴり人見知り。充志助手は「こんな機会はめったにないので、なんて言えばいいのか…」と照れることしきり。前評判は父が担当するレシステンシアが上だが、日曜中京は雨予報。馬場状態は充志助手の担当する道悪巧者ライトオンキューに味方する。「パワータイプで馬場が荒れるのは歓迎。相変わらず坂路でいい動きを見せているし、仕上がりはいい。リズムを崩さずに走れれば、G1でも楽しみです」。そんな充志助手は昨年、結婚して12月に子供が生まれた。祖父となった裕之厩務員は「孫がかわいすぎる。写真を見ることが毎日の楽しみ。仕事ではG1馬を担当させてもらっているし、とにかく今は幸せいっぱい」と目尻を下げた。公私ともに充実している“金浜父子”がG1を盛り上げる。

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2021年3月26日のニュース