【高松宮記念】アウィルアウェイ 補欠1位からの下克上へ 波乱の使者に!

[ 2021年3月26日 05:30 ]

厩舎周りで運動するアウィルアウェイ (撮影・亀井 直樹)
Photo By スポニチ

 21年前の波乱伝説がよみがえる。G1「第51回高松宮記念」は25日、出走馬18頭が確定した。水曜朝まで出走決定順19番目だったアウィルアウェイ(牝5=高野)は、賞金上位馬の回避により18番目に滑り込んで出走が可能となった。スプリントG1の次点から繰り上がり出走といえば、00年スプリンターズSのダイタクヤマト。次点繰り上がりからのミラクルVには先例がある。

 繰り上がって出走メンバーに入ったアウィルアウェイ。登録馬が発表された時点では補欠の1番手だったが水曜朝、賞金上位だったシヴァージが回避したことにより、ゲートインがかなった。高野師は「中京は差しが決まりにくいコースで難しいところもあるが、競馬なんで何が起こるか分からない」と一発を狙う。

 近2走は12着→12着に惨敗しているが、秘めたポテンシャルは侮れない。3走前のスプリンターズSは10番人気の伏兵ながら、最後方から追い込んで3着に浮上。勝ち馬グランアレグリアに次ぐ、上がり3F33秒7の末脚を発揮した。追い込む形が板についており、自慢の切れ味はスプリント界トップレベル。「教えたわけじゃないがレースを積み重ねて、ああいう形になってきた」と目を細める。

 前哨戦のオーシャンSは前残りの展開に泣いたが、上がり3Fはメンバー2位をマーク。「スローペースだったし、ジョッキー(三浦)も早めに動いて勝負を懸けてくれたが、厳しかった」と敗因を分析する。今回はモズスーパーフレアを筆頭に、快足ホースがそろった。モズと同じレースに出走したことは5回あったが、そのうち3回先着。昨年のシルクロードSは、逃げ粘るモズ(4着)をとらえてV。昨秋のスプリンターズSも、直線でモズ(10着)を差し切った。前が速くなれば、再現も可能だ。

 当初は補欠の1番手だったが、しっかり準備はしてきた。最終追いは坂路で活気十分の動き。「順調に調整してこれた。動き、行きっぷりからも、いい状態で出せそう」と力を込める。00年のスプリンターズSは直前に回避馬が出て、繰り上がったダイタクヤマトが16番人気でV。単勝は257・5倍もついた。運も味方に、アウィルアウェイが同じスプリントG1で波乱の使者となる。

 ▽00年スプリンターズS ダイタクヤマトは登録時点では除外対象。G1馬が“7頭”いる豪華メンバーで、重賞未勝利の身では致し方なし。それでも石坂正師(当時)は「出られれば面白いよ、出られれば」と出走を前提に調整。賞金上位だったトーヨーデヘアが同日の阪神オープン特別に回って、ヤマトが16番目に滑り込み。重賞実績は函館スプリントS2着だけで、16頭立て16番人気の超人気薄だったが、江田照ヤマトは2番手から4角で逃げ馬を早めにパスする強気の競馬。追いすがる海外G1・2勝馬アグネスワールド、前年覇者ブラックホークに影を踏ませず押し切った。

続きを表示

2021年3月26日のニュース