【京王杯2歳S】ユングヴィ、父ミュゼスルタン譲りの鬼脚 大江原師「走りも体の動きも似てきた」

[ 2020年11月3日 05:30 ]

ユングヴィ
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 土曜の東京競馬場で行われる「京王杯2歳S」(7日)は、個性豊かなメンバーが顔をそろえる。中でもユングヴィ(牡2=大江原)は中央の登録が3頭しかいないミュゼスルタン産駒の初年度世代だ。前走の未勝利戦(10月18日、東京)は後続を7馬身差ちぎる圧巻の勝ちっぷりで猛アピール。大江原哲師(67)は、自身が管理した父の姿を重ねる。

 14年メイクデビュー新潟を勝ち、次戦の新潟2歳Sをレコードで制したミュゼスルタン。その強烈な末脚に、陣営は大きな夢を描いた。脚元の故障でキャリアはわずか7戦。それでもそのポテンシャルを買われて種牡馬入りを果たした。現2歳の初年度産駒はJRAで3頭登録。その全てが大江原厩舎に入厩している。師は「調教師冥利(みょうり)に尽きる?ディープインパクトの子をやっているわけじゃないからそんなオーバーな話じゃないよ。いや、でもやっぱりうれしいな」と照れくさそうに喜びを伝えた。

 預かった“孫”たちの中でも、特に素質を感じるのが京王杯2歳Sに駒を進めるユングヴィ。師は「普段からうるさいところとかは父譲りだよ。最初はそうでもないかなと思ったが、最近は走りも体の動きも似てきたね」と説明する。母のハンナ(1勝、父ディープインパクト)も師が管理した1頭。特徴を知り尽くした思い入れのある血統だ。

 ユングヴィは2戦目の前走でガラリ一変。好位から抜け出した直線で後続をグングン突き放し、7馬身差Vを決めた。「あんなに離すとは思ってなかった。力が付いてきたなと。まだ道悪しか走ってないけど、時計は速いし良馬場でも大丈夫」と師。その前走では、プラス16キロと馬体面での成長も示しており「この中間も順調だし、状態面に心配はない」と自信をのぞかせていた。

 父は2番人気に推された15年NHKマイルCで3着に好走。1600メートルでのデビュー2連勝に加え、マイラーとしての高い資質を証明した。「(ユングヴィも)距離は1200メートルから1600メートルが合っていると思う。来年の春はスルタンと同じNHKマイルCを使いたいですね」と構想を描く。元ジョッキーの大江原師は23年に引退の予定。調教師生活の最終章は、目に入れても痛くない孫たちが彩っていく。 

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2020年11月3日のニュース