【菊花賞】コントレイル 史上初の父子無敗3冠!矢作師感激「日本競馬の宝」

[ 2020年10月26日 05:30 ]

<菊花賞>直線で抜け出すコントレイルはクビ差でアリストテレス(奥)に勝利し牡馬三冠を達成(撮影・奥 調)
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 「第81回菊花賞」が京都競馬場で行われ、断然の1番人気コントレイル(牡=矢作)がアリストテレスとの叩き合いを制した。今や日本を代表するトップトレーナーとなった矢作芳人師(59)だが、苦しみの末の父子無敗3冠に安どの表情を浮かべた。

 まさに生みの苦しみだった。史上8人目の牡馬3冠トレーナー。矢作師はホッとした気持ちを隠さなかった。「こんなに疲れた経験はない」。ダービーも海外G1も勝った。修羅場をくぐってきた自負はある。だが父子無敗3冠は別格だった。「リラックスしているつもりでも朝から緊張していた。緊張しなくて済む方法を教えてほしい」。百戦錬磨らしからぬ言葉が口を突いた。

 万全の状態で送り出した。神戸新聞杯から2キロ減。青鹿毛の馬体は柔らかい光沢を放ち、落ち着き払っていた。スタンド上段でレースを見守る。2周目の向正面で不安が襲った。「力んでいるようだ」。ジリジリとスタミナを削られた。直線、いつもなら力強く抜け出すはずが、なかなか前に出られない。並んでゴールしたように見えた。「確信が持てなかった。負けてはいないかと思いながら半信半疑な気持ちだった」。周囲が「おめでとう」と言ってくれて勝ったことを知った。首差はデビュー以来最小の着差だった。

 「距離に尽きると思う」と指揮官が語る通り、3000メートルはこの馬にとって長い。だが、そこを勝ち切ったことに意味がある。勝負どころで機敏に動いた皐月賞。1頭分のわずかなスペースを切り開いた神戸新聞杯。コントレイルの強みはセンスの良さと、それを支える闘争心。今後、さらに強い相手とぶつかることで、もっと強くなる可能性を秘める。

 矢作師は父・和人さんも地方競馬の元調教師。3冠の意味は子供の頃から知っている。開成高校に通った頃、部屋にシンザンのパネルを飾った。鉄壁の強さに憧れたが、まさか自分が3冠調教師となるとは思わなかった。ファンの気持ちもよく知る調教師。「(観客が入って)少しでも競馬場で実際に(3冠達成を)お客さんに見てもらえて良かった」と話した。

 これでデビュー7連勝。当面の目標を達成し、今後は父を超える活躍を目指していく。「ジャパンCを考えていたが厳しいレースだったので、馬の状態を慎重に見極めて(次走を)判断したい。コントレイルは神様からの授かり物。日本競馬の宝。もっと成長させてファンの方々に応援してもらえるように頑張っていきたい」。先週のデアリングタクトに続く無敗の3冠馬誕生。大改修前、京都最後のG1には競馬にしか描けない夢があった。

 ◆矢作 芳人(やはぎ・よしと)1961年(昭36)3月20日生まれ、東京都出身の59歳。日本有数の進学校、開成高校を卒業後、オーストラリアに渡り武者修行。帰国後の84年、栗東トレセンに入り、厩務員、調教助手を経て04年、14度目の挑戦で調教師試験に合格。05年3月開業。5日の阪神1Rマルタカクインで初出走(9着)、26日中京9Rテンザンチーフで初勝利。JRA通算6955戦674勝、うち重賞45勝。G1は12年ダービー(ディープブリランテ)、19年有馬記念(リスグラシュー)など13勝。

 ◇コントレイル 父ディープインパクト 母ロードクロサイト(母の父アンブライドルズソング)17年4月1日生まれ 牡3歳 栗東・矢作厩舎所属 馬主・前田晋二氏 生産者・北海道新冠町のノースヒルズ 戦績7戦7勝 総獲得賞金6億7518万6000円。馬名の由来は「飛行機雲」。

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