【札幌2歳S】ソダシ、白毛馬初の芝重賞V!2歳レコードで堂々、待望のアイドルホース誕生

[ 2020年9月6日 05:30 ]

4コーナーから先頭に立ちゴールした(13)ソダシ(撮影:千葉 茂)
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 歴史を白く塗り替えた。夏の北海道シリーズを締めくくる2歳重賞「第55回札幌2歳S」が5日、札幌競馬場で行われ、2番人気の白毛馬ソダシ(牝=須貝、父クロフネ)が4角先頭の積極策で押し切った。勝ちタイム1分48秒2は同コースの2歳レコード。新たなアイドルホース誕生の予感漂う白毛馬初の芝重賞Vは、記録ずくめの勝利となった。

 純白の馬体を弾ませてソダシが先頭でゴール板を駆け抜けると、無観客の札幌競馬場に、聞こえないはずの万雷の拍手が鳴り響いた。電光掲示板には「レコード」の赤い文字。今度はどよめきだ。ハイペースの消耗戦で勝ち取った価値ある重賞タイトル。競馬界が待ち望んだ新たなアイドルホースの誕生を、敵味方関係なく誰もが祝福した。

 同じく白毛の母ブチコが苦手としたゲート。鞍上の吉田隼は「白毛は口向きが難しい馬が多い」と細心の注意を払っていた。タイミングをうまく合わせてポンと好スタートを切ると、道中は4番手の外めを確保。「瞬発力勝負より長く脚を使わせる競馬にしたかった」。最後方にいたユーバーレーベンが捲るのに合わせて3角から進出する。早いと分かっていても相棒への信頼が手綱を動かした。ハイペースの中、4角先頭。ラスト1Fは13秒0。全馬の脚が上がる消耗戦となったが、気力で先頭は譲らない。白毛馬初の芝重賞Vをエスコートした36歳は「凄く能力が高い馬。ちょっと仕掛けは早くなったけど、最後まで頑張ってくれた。勝ててホッとしています」と胸をなで下ろした。

 さあ、白毛馬初G1制覇へ。須貝師は今後について「賞金面では心配することがなくなった。来春のクラシックはもちろん、ダート血統でもあるからいろんなプランがある。オーナーと相談してじっくりと考えたい」と熟考の構え。「人気が出ちゃうね(笑い)。アイドルホースになりつつあるから大事に育てて、またファンの皆さんにお披露目できれば。これから厩務員、スタッフが大変だよ」と笑わせた。

 勝ち時計1分48秒2は昨年ゴルコンダがマークしたレコード(1分48秒3)を更新。最終週の荒れた芝コースでマークしたレコードは、どこまでも夢を膨らませてくれる。チャーミングな白い馬体と並外れたパワー。白毛のアイドル娘ソダシの伝説は、まだ始まったばかりだ。 

 【今浪厩務員担当3勝目】ソダシを担当する今浪厩務員はゴールドシップも手掛けた腕利き。「ゴールドシップの子供と戦うのは複雑な思いもあるけど、もちろん勝ちたい」と話していたが、同産駒ユーバーレーベンを2着に従えての勝利に満面の笑みで記念撮影に納まった。同厩務員の担当馬は延べ6頭が札幌2歳Sに出走し【3・2・1・0】。13年レッドリヴェール、15年アドマイヤエイカンに続く3勝目となった。

 ◆ソダシ 父クロフネ 母ブチコ(母の父キングカメハメハ)牝2歳 栗東・須貝厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス(株) 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績2戦2勝 総獲得賞金3849万7000円。

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2020年9月6日のニュース