武豊&森師の黄金コンビ、世界での活躍また見たい

[ 2020年8月14日 05:30 ]

2018年にプロキオンSを制したマテラスカイと武豊。森秀行調教師(一番左)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】先週の日曜日、札幌競馬場で武豊騎手がJRA通算4200勝を記録した。現役でいながら伝説と呼ばれる彼ならではの偉業達成だ。

 ちょうどその日、フランスで行われたのがモーリスドギース賞(G1)。日本でもおなじみのW・ビュイック騎手が乗るスペースブルースが勝利したが、22年前にこのレースを優勝したのがシーキングザパール(栗東・森秀行厩舎)で、騎乗したのが武豊騎手だった。

 今でこそ日本馬の海外G1制覇は当たり前だが、当時はただの1頭もいない時代。しかし、レース前、武豊騎手が次のように語ったのを私はよく覚えている。ドーヴィル競馬場入りした若き日の彼に、自信のほどを尋ねると、答えた。

 「初めて対戦する相手ばかりだし、正直、少し余裕残しの体つきという感じです。でもスピードなら十分に通用します。勝っておかしくないと思います」

 先述した通り日本馬の海外G1制覇はまだなかったし、シーキングザパール自身も初の海外遠征だった。しかし、鞍上は経験豊富だった。フランスでも毎年のように騎乗していた。そのため、日本馬とフランスをはじめとしたヨーロッパ勢を比較するモノサシを持っていた。だからこそ「勝っておかしくない」と確信していたのだ。

 さらに管理する森秀行調教師の策略も素晴らしかった。当時は相当の海外競馬通でないと知らなかったであろうモーリスドギース賞だが、指揮官は前の年から「来年、狙っているレースがある」と語っていた。そして、このフランスのG1を勝つためにイギリスのニューマーケットに愛馬を連れていった。

 「競馬場の馬場との相性は大切だけど、調教場のそれもある意味、競馬場以上に重要です」と語り、坂路のあるニューマーケットに滞在。仕上げたのだ。

 あれから22年たった今年、このコンビはサウジアラビアではフルフラットで勝利。武豊騎手の4200勝達成翌日には盛岡のクラスターCをマテラスカイで優勝。コロナ騒動が収束すればまた世界を舞台に活躍してくれることだろう。(フリーライター)

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