【皐月賞】サリオス90点 攻守の要“金将”トモと肩圧倒的

[ 2020年4月14日 05:30 ]

鈴木康弘「達眼」馬体診断

<皐月賞>分厚い鎧姿の金将を想起させる立ち姿のサリオス
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 「金将」は守りの要であると同時に攻めの要。持ち駒として使う場合は終盤の寄せや詰めでも多用されます。飛び道具の飛車角とは異なり、接近戦で威力を発揮する重量感ある駒。サリオスの立ち姿は分厚い鎧(よろい)姿の金将を想起させます。

 圧倒的なトモと肩の筋肉量。若いうちはトモが薄いハーツクライ産駒らしからぬ立派なトモです。腹袋も力強い。ごつい上半身を支える下半身も丈夫です。飛節が大きく、膝のつくりも頑丈。金将のように接近戦にも耐えられる肉体です。体重が540キロもありながら巨体に見えないのは前後肢、上下半身の均衡が整っているから。受け手と攻め手のバランスが取れた金将をイメージさせます。

 金将には成り駒になれない弱みがある。サリオスも2歳時から劇的な進化は見られません。朝日杯FSの時点で栗毛の馬体は筋肉でパンパンに膨らんでいました。筋肉の増量を受け入れるスペースが見当たらないほどボリューム満載でした。当時と量は変わらなくても、質は少し変化している。筋肉の一つずつが繊維のように盛り上がって見えます。

 立ち姿には少し力みがうかがえます。朝日杯FS時の涼しげだった目が鋭くなり、正面を向いていた耳が少し左右に開いている。距離延長が心配になる表情の変化ですが、体形は2000メートルも克服可能な中距離型。前受けの競馬も攻めの競馬もできる金将です。

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2020年4月14日のニュース