【桜花賞】クラヴァシュ、悠々4F51秒3!ミルコ再び笑顔咲くV加速

[ 2020年4月10日 05:30 ]

デムーロ騎手を背に単走で追い切るクラヴァシュドール(撮影・亀井 直樹)
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 3歳牝馬3冠ロード第1章「第80回桜花賞」(12日、阪神)の出走馬、枠順が9日、確定した。栗東ではクラヴァシュドールがミルコ・デムーロ(41)を背に、ただ1頭、木曜追いを消化した。

 桜花賞組のトリを務めたのはチューリップ賞2着のクラヴァシュドールだった。M・デムーロを背にCWコース入り。最初は頭を上下に落ち着かない様子だったが、半マイル標識からスピードを上げると冷静さを取り戻した。直線で鞍上が軽く促す。四肢が躍動してグンと加速した。4F51秒3~1F12秒1の好時計を悠々とマーク。力強く張った胸前の筋肉が目を引いた。

 「単走で4Fの調教。少しイレ込んでいましたがフレッシュな感じです。1回使って馬が凄くハッピーな感じ。調教も良かったですね。もうすぐ競馬ということを馬が分かっています」。今回が2度目のレース騎乗。すっかり手の内に入れた様子だ。

 先週の大阪杯。ラッキーライラックを見事、G13勝目へと導いた。枠場へと戻る前にカメラマンの前で何度も周回し、ガッツポーズを繰り返した。報道陣の向こうにいるファンに喜びと感謝を伝えたかった。「無観客でのG1。勝ったけど今までと全然違った。凄く寂しかった。それでもファンに僕の気持ちを伝えたかった。競馬を続けていけることはいいことです。凄くありがたい」。せきを切ったように思いがあふれた。

 ピンチの時、ミルコの笑顔が勇気をくれる。11年、東日本大震災直後のドバイワールドC。日本調教馬ヴィクトワールピサで初めて世界の頂点に立った。馬上で日の丸を掲げて涙。日本に勇気と希望を届けた。現在は母国イタリアがコロナウイルスで危機的状況。もちろん気が気ではない。「イタリアは苦しいと思う。家族や友達のことも心配。頑張ってほしい」。大阪杯優勝は母国へのアピールにはなったが、頑張る姿をもっと届けたい。貪欲に勝利を目指し、競馬の素晴らしさを日本だけでなく世界に届ける。

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