森下、国内最年長64歳10ヶ月V!今開催で引退「最後まで精いっぱい頑張る」

[ 2020年3月5日 05:30 ]

4日の川崎9Rで勝利し、自らの持つ国内最年長勝利記録を更新した森下。ミシェルも口取りに参加して祝福した
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 森下博(川崎)が4日、川崎9Rをマイネルミシシッピで勝ち、自らが持つ国内最年長勝利記録を塗り替えた。64歳10カ月での勝利。通算2万2991回目の騎乗で2676勝目だった。

 「的場(文男)さんにすぐ抜かれちゃうけどね」。そう言って照れたが、表情は緩みっぱなしだ。今開催でムチを置くことを決意。「最後にどれか一つで勝ちたいと思っていた」。気持ちが乗り移り、“悲願の1勝”を挙げてみせた。

 道中は4、5番手の内を追走。直線を向いたところで先に抜け出した2頭の外に出すと、こん身の右ステッキを繰り出した。1発、2発…そして連打。残り30メートルでアルチレイロをかわすと最後は1馬身半の差をつけていた。「4コーナーで手応えが怪しくなったが、叩いたらまた伸びた。直線は手応えにも余裕があったし、これならと思った。馬が仕上がっていたし位置取りも完璧だった」。メモリアル勝利を自画自賛で振り返った。

 勝ち馬のオーナーはくしくも昨年1月31日にトキノパイレーツで記録を更新した時と同じ田中準市氏。がっちり握手を交わすと「このオーナーにはお世話になっているから本当に良かった」と、また相好を崩した。6日の最終日まで残りの騎乗予定はあと2。「体がきつくなったので、やめることは寂しくはない。あとは最後まで精いっぱい頑張るだけ」。さらなる記録更新へ、大ベテランは意欲を燃やした。

 【セレモニー延期】森下の引退セレモニーが当初、あす6日に予定されていたが、4月13~17日の川崎次開催に延期された。無観客競馬開催に伴う措置。

 【レース界の高齢勝利】
 ▼中央競馬 岡部幸雄が05年1月23日に56歳2カ月24日でV。騎手が2輪馬車に乗り、馬が引く「けいが競走」では68年に小野留嘉が68歳で勝利した記録が残っている。現役最高齢は53歳の柴田善臣。
 ▼海外競馬 00年ハンガリーダービーを67歳のポール・カライがロドリゴで制した。米国のフランク・アモントは05年に69歳で白星。
 ▼ボートレース 加藤峻二が15年5月6日(戸田)に73歳3カ月24日で白星。

 ◆森下 博(もりした・ひろし)1955年(昭30)5月4日生まれ、埼玉県出身の64歳。川崎競馬所属。73年11月7日、川崎2Rクインミツルで初騎乗初勝利。04年エスプリシーズで川崎記念を制し、G1ジョッキーに。ほかにも98年浦和桜花賞(ダイアモンドコア)、98年G2東京盃(カガヤキローマン)など重賞33勝。地方通算2万2991戦2676勝、中央31戦0勝(4日現在)。

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