【ジャパンC】英雄マーフィーでリチャード復活V 神騎乗!直線で1頭分のインに特攻

[ 2019年11月25日 05:30 ]

津村明秀騎乗のカレンブーケドール(左)と競りあいジャパンカップを制したマーフィーはスワーヴリチャードの鞍上で仁王立ちしガッツポーズ(撮影・西川祐介)
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 史上初めて外国馬の参戦がなかった「ディープインパクトメモリアル第39回ジャパンC」が24日に東京競馬場で行われ、3番人気スワーヴリチャードに騎乗した若き天才オイシン・マーフィー(24=英国)がうれしいJRA・G1初勝利。直線で1頭分のインに突っ込む神騎乗を披露し、ディープの宿敵ハーツクライの産駒を18年大阪杯以来のG1・2勝目に導いた。 レース結果

 殊勲のスワーヴリチャードの馬上で立ち上がり、スタンドに右腕を突き上げたマーフィー。そこに生ける伝説・デットーリが近づき、頭をポンと叩いて祝福する。初めて外国馬が1頭もいなかったジャパンC。それでも世界中から集まった名手たちが、日本のビッグレースを盛り上げた。JRA・G1初勝利となったマーフィーは「日本の武豊、世界の素晴らしいジョッキーたちとの戦いに勝てて最高の気分。夢が1つかなった。1週間は寝付けないと思う」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

 レースはカレンブーケドールを徹底マーク。勝敗につながるシビアな判断を求められたのは直線残り300メートルだった。「あの瞬間、2つ、3つのことが頭に浮かんだ。前の馬はそのまま走り続けられるのか、前の馬は右ムチか左ムチか、インで走っても大丈夫か」。ブーケドールの手応えは十分。津村のムチが左手にあるならインが空く。内ラチ沿いは朝から回復傾向にある。24歳で英国リーディングに輝いた天才が、理論づけた勇気のイン特攻。0コンマ数秒の決断で見いだしたビクトリーロードをリチャードが伸び続けた。庄野師が「人馬の勇気を称えたい」と感嘆するほどの神騎乗だった。

 「ディープインパクトメモリアル」と付された一戦で、またもハーツクライがディープの前に立ちはだかった。ディープが唯一、国内で敗戦を喫した05年有馬記念(2着)を勝ったのがハーツ。その息子リチャードが父譲りの成長力で4頭のディープ産駒を退けた。師は「5歳秋で馬が完成した。時計が速くてアーモンドアイもいた昨年(3着)より自信はあった」と18年大阪杯以来の勝利に目を細めた。

 重馬場で伸び続けた姿に、海外メディアからはタフな馬場で行われる欧州への遠征プランを問う質問も。師は「まずは馬の状態を確認してから。これから考えます」と白紙を強調したが、復活を印象づけるには十分すぎるG1・2勝目。未来は英国の若き天才によって切り開かれた。

 【マーフィーという男】
 ▼若武者 1995年9月6日生まれ、アイルランド出身の24歳。現在、短期免許で来日中の外国人騎手の中ではひときわ若い。最年長はデットーリで“倍”の48歳。
 ▼ルーツ 叔父であるジム・カロティー元騎手から騎乗技術を学ぶ。世界を席巻する名門エイダン・オブライエン厩舎で修業し、18歳で騎手デビューした。
 ▼大活躍 今年は英国で168勝を挙げ初のリーディングに輝いた。18年には欧州G15勝を挙げ年度代表馬となったロアリングライオンの主戦として活躍。
 ▼大好物 好きな食べ物は焼き肉。自らの名前を用いた、持ちギャグ(!?)「おいしん」で、笑いを誘う。
 ▼日本びいき オルフェーヴル(12年凱旋門賞2着)、エピファネイア(14年ジャパンC1着)の走りに衝撃を受け、来日を熱烈に希望。昨年末にようやく短期免許での初来日が実現した。得意な日本語は「コーラ、ください」。
 ▼日本馬で 今年8月にはディアドラでナッソーSを制し、日本牝馬初の英G1制覇に貢献。「自分にとってもとても素晴らしい出来事」と喜んだ。

 ◆スワーヴリチャード 父ハーツクライ 母ピラミマ(母の父アンブライドルズソング)牡5歳 栗東・庄野厩舎所属 馬主・㈱NICKS 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績18戦6勝(うち海外1戦0勝) 総獲得賞金9億5727万4100円(海外含む)。

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