【前橋・寛仁親王牌】村上博 涙の復活V!三谷竜と気迫の近畿ワンツー

[ 2019年10月16日 05:30 ]

第28回寛仁親王牌で優勝し、胴上げされる村上博幸
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 G1「第28回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」の決勝戦は15日、前橋競輪場で争われ、村上博幸(40=京都・86期)が優勝。「グランプリ2019」(12月30日・立川)の出場権利と賞金2940万円を獲得した。村上博のG1優勝は14年2月の高松全日本選抜以来、5年ぶり3回目。グランプリは2年連続4回目の出場となる。なお、2着は逃げ粘った三谷竜生で2車単<5>―<1>3150円は13番人気の決着だった。

 村上博が気迫の番手差しで5年ぶり3回目のG1優勝を飾った。今大会は「古傷を痛めて」地元記念を欠場した後のシリーズで、決して万全の状態ではなかった。しかし「自分のキャリアを生かして」日に日に状態を上げていった。準決勝後には「3コーナーでの自転車の倒し方の感覚」も戻り、決勝戦は冷静にレースに集中できた。

 前を任せた三谷竜が打鐘で仕掛けて主導権を握るという絶好の展開。村上博は最終2Cで後続の巻き返しを警戒すると、ゴール前で三谷竜を差し切った。「今回は差した確信があったので」ゴール直後に右手を上げた。

 表彰式に向かう村上博の目には涙が光り「感謝してる家族、仲間、いろいろなことが浮かんで…」言葉に詰まった。それでも「(決勝は三谷)竜生が頑張ってくれて、いつもラインのおかげと思っています。皆さまの声援のおかげです」とファンの声援に応えた。

 初タイトルだった10年3月の松戸ダービーは兄・義弘とのワンツーで“まさか”の優勝劇だった。2度目のG1優勝(14年2月高松全日本選抜)から5年がたつ今は40歳になり、「落車、年齢の影響もあり(G1優勝が)厳しい中での優勝だったのでうれしかった」と村上博。そして「練習はウソをつかない」と“村上魂”の原点を語った。

 この優勝で2年連続4回目のグランプリ出場を決めた。「昨年から脇本君のスピードに対応することも課題にしているが、一戦一戦に集中する自分のスタイルは変わらない。日々精進です」。漢字の“競輪”が似合う村上博の優勝劇だった。

 ◆村上 博幸(むらかみ・ひろゆき)1979年(昭54)4月15日生まれ、京都府京都市出身の40歳。私立花園高卒。01年8月プロデビュー。通算成績は1370戦355勝。通算取得賞金は9億969万円。主な優勝は第63回日本選手権(10年)、グランプリ2010、第29回全日本選抜(14年)、第28回寛仁親王牌(19年)。1メートル66、69キロ。血液型O。

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