グレーター 苦難Vから1年…今年は?

[ 2019年7月19日 05:30 ]

 【競馬人生劇場・平松さとし】「とにかく小さい馬だというのが最初の印象でした」。大竹正博調教師がそう語るのはグレーターロンドン。2歳だった14年に入厩した時も輸送熱が長引き、結局デビューできたのは3歳になってからだった。

 15年2月の新馬戦で差し切り勝ちを決めたが、その後ソエが出た。4月に2戦目を走った際は落鉄して2着。その一戦で爪を傷めていたため休養を余儀なくされた。3戦目は半年以上過ぎてから。ここも勝利するが、その後が大変だった。左前の爪に熱を帯び、そのうち歩くこともままならなくなった。

 「日に日に悪化して、とうとう蹄葉炎の診断が下されました」と大竹師。毎日、厩舎で炎症を食い止めるために投薬したり、特殊蹄鉄を使用したりした結果、約1年後に戦列復帰。連戦連勝後、7戦6勝という実績で17年の安田記念(G1)に出走した。

 「連勝中も決して順風満帆だったわけではありません。爪の弱さは相変わらずで蹄鉄との間に樹脂を流し込むなど、工夫をしながら何とか走れる状態を保ちました」

 安田記念では、さすがに連勝が止まったが、それでも勝ち馬から0秒1差4着。潜在能力の高さは示した。その後はなかなか勝てなかったものの重賞戦線をひた走る。何とか軌道に乗ったように見えたが、携わる側の大変さは変わらなかったという。「毎日のチェックは当然ですが週1、2回はレントゲンで検査。特殊蹄鉄も継続して使用しました。5分前は問題なかったのに、いきなり熱を持つこともあり油断はできませんでした」

 そんな18年7月。中京記念を優勝し、ついに重賞初制覇を果たした。「暑い日で心配でしたけど終わってみればレコード勝ちでした」。秋こそはG1制覇と力が入ったが、その刹那、またしても左前を痛がるそぶりを見せた。「脚が痛む中、十分頑張ってくれたので引退させてあげることにしました」と大竹師。

 それから1年が過ぎた。果たして今年の中京記念ではどんなドラマが待ち受けていることだろう。(フリーライター)

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