【オークス】(1)ジョディー&武藤 6分の2抽選突破!初クラシック逃走Vだ

[ 2019年5月17日 05:30 ]

ポリトラックコースで追い切るジョディー(手前)=撮影・郡司 修
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 絆の力で金星をつかみ取る。「第80回オークス」でクラシック初挑戦の武藤雅(21=水野)鞍上のジョディーが6分の2の抽選を突破。さらに逃げ馬には理想的な1枠1番をゲットした。新馬Vから共に成長してきた人馬がベストの枠を引き当て、堂々の逃げ宣言だ。

 派手な喜び方はしないタイプの武藤が抽選突破の瞬間、自然と笑みを浮かべた。「馬にとって一生に一度のレース。(18頭に)入って良かった。自分も初クラシックはうれしい。1番は一番欲しかった枠です」

 運命とも言える相棒だ。ジョディーとはゲート試験からずっと並んで歩んできた。道のりは決して平たんではなかった。新馬戦快勝。2勝目の赤松賞は武藤にとってうれしい初の特別勝ち。喜びを分かち合ったが、その半面、新潟2歳S(池添で4着)は自身の骨折、阪神JF(四位で16着)とフラワーC(吉田豊で5着)は騎乗停止で乗れなかった。

 たとえレースで騎乗できなくても追い切りにはまたがってきた。「最初は馬房に行くと、耳を絞っていた。今はなついてくる。関係性が変わった。2歳時は牝馬らしい繊細さがあった。距離はだんだん詰まってくるかと思ったが今は精神的に成長して落ち着いている。戸田厩舎は丁寧に長く乗るメニューなので角馬場から大事に乗っていたことが落ち着きにつながったのだと思う。前走(フローラS3着)は沈みそうで沈まなかった。逃げて持ち味を生かす競馬なら2400メートルも頑張ってくれる」。まるで恋人のように全てを知り尽くす。人馬の間には確かな信頼があった。

 逃げて勝利を積み重ね、今回は若き天才・レーンが鞍上のコントラチェックに注目が集まるが、急造コンビに前を譲る気はない。逃げる。武藤はきっぱりと宣言した。「コントラチェックが近い(3番)ので相手がどれくらい出るかだが、この枠ならやることをやるだけ。多少、強引でもいいかなと思う。スタートは心配のない馬だし1角の入りまでしっかり出して行く」。愛馬の持ち味は自分が一番よく知っている。「快く乗せてくださる(小濱忠一)オーナー、戸田先生、そしてジョディーに感謝して乗りたい」。大一番で相棒の能力を最大限に引き出すのが自分の役目。武藤は穏やかな笑みの奥で熱い闘志を燃やす。

 ◆武藤 雅(むとう・みやび)1998年(平10)1月10日生まれ、茨城県出身の21歳。美浦・水野厩舎所属。父は元騎手でもある武藤善則師。17年3月4日の中山1R(ラインアストロ8着)で初騎乗。同4月23日の福島6R(ノーブルプルート)で初勝利。同年新人トップの24勝を挙げ、民放競馬記者クラブ賞。通算1471戦77勝(地方26戦1勝)。座右の銘は「努力に勝る天才なし」。趣味は寺社巡りと浜辺などの景色を見に行くこと、ライブ鑑賞。1メートル56、45キロ。血液型A。

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