【オークス】ラヴズ、無敗&兄妹G1制覇へ躍動感たっぷり

[ 2019年5月16日 05:30 ]

坂路を駆け上がるラヴズオンリーユー(撮影・亀井 直樹)
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 「第80回オークス」(19日、東京)で、デビュー3連勝の良血馬ラヴズオンリーユーが史上5頭目の無敗制覇に挑む。15日に栗東坂路で行われた追い切りは、馬なりながら躍動感たっぷりの動きを見せた。コンビを組むミルコ・デムーロ(40)にとってはクラシック完全制覇が懸かる一戦。令和最初のクラシックで、新たな伝説が生まれるか。同レースの出走馬と枠順は16日に確定する。

 もう攻める必要はない。ラヴズオンリーユーは厩舎所属の坂井(レースはM・デムーロ)を背に坂路へ。最初の1Fから次の1F、そして後半2Fと丁寧にラップを刻んでいく。スムーズに加速して4F54秒7、ラスト12秒8でフィニッシュ。M・デムーロがまたがった先週CWコースでビッシリ負荷をかけてある。オーバーワークを避けながら、それでいて軽くなりすぎない絶妙なサジ加減でクリア。動きをチェックした矢作師は納得の表情で切りだした。

 「先週が最終追い切りのつもりでレベルの高い併せ馬ができたし、見ての通り良かった。今朝は馬なりというか楽走。瑠星(坂井)がうまく乗ったし、非常に順調に来ている」

 同じく矢作厩舎に在籍していたリアルスティール(16年ドバイターフ勝ち)の全妹で栗東入厩前から注目された良血。きょうだいの共通点について「成長がゆっくりなところ」と伸びしろの大きさを強調しつつ「筋肉の質、柔らかさは兄以上」と素材の良さをアピールする。

 これまで当日輸送の京都、阪神しか経験がなく遠征競馬は初めて。その状況でも力を出せるか。レース前の段階では体重が一つのポイント。「体は多少、減るかな。今はまだカイバを食べても実にならない。いろいろ考えて金曜に輸送する。過去3戦(466キロ→452キロ→456キロ)では白菊賞が一番良くなくて、あれより体を減らしたくない」と減っても忘れな草賞からマイナス4キロまでにとどめたい意向。さらに2桁の多頭数も当然2400メートルも未知の領域になる。「最終的には2000メートルがベストかな。でも心肺機能が高いし、普段の稽古の感じから折り合いはつくと思う。とにかくスムーズな競馬をしたい」と力を込めた。

 騎乗するM・デムーロも「背中が柔らかくて跳びが奇麗。反応がいい」と称賛する逸材。課題をクリアすれば、史上5頭目となる無敗の樫の女王が見えてくる。

 ≪DMMのクラブ馬≫ラヴズオンリーユーを所有するDMMドリームクラブはいわゆる一口馬主クラブ。募集口数を増やして一口の金額を抑えていることが特徴だ。現3歳が募集2世代目。北野武命名で話題を呼んだキタノコマンドール(18年皐月賞5着、同ダービー12着)以来のG1挑戦で初制覇を目指す。

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