【ヴィクトリアM】ノームコア余力残し先着、“儲かる男”レーンと合体

[ 2019年5月9日 05:30 ]

レーンを背に併せで追い切るノームコア(右)=撮影・村上 大輔
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 G1「第14回ヴィクトリアマイル」の追い切りが行われた。騎乗停止となったクリストフ・ルメール(39)の代役として有力馬への騎乗が続々と決まっているダミアン・レーン(25)騎乗のノームコアが美浦Wコースで力強く1馬身先着。将来のルメール、モレイラと期待される“儲(もう)かる男”を先物買いする手はありそうだ。復活を期す17年オークス馬ソウルスターリングは新コンビを組む武豊(50)を背に快走。その才能に武豊も驚きの声を上げた。同レースの枠順は10日に確定する。

 今、関係者から最も熱い視線を集める男も驚いた。レーンを背にしたノームコアはWコースでサトノダイナスティ(3歳未勝利)を0秒8も追走。だが、4角で楽に追いついてしまった。「まだだ」。内で手綱を抑える。馬も意味を瞬時に理解した。余力を残したままグッと出て、ゴール前では1馬身先着。「いい馬体でフィーリングも良かった。調教の動きをレースでできれば結果につながると思う」。レーンは最初のコンタクトで早々と絆を築いた。

 「このチャンスをものにしたい」。25歳、豪州の若武者は目を輝かせた。初来日から騎乗3日目で新潟大賞典(メールドグラース)を制した男。出遅れがほぼなく、どんな馬でも折り合う。その手腕に驚いた関係者はルメールの騎乗停止により鞍上が空いたノームコア、コントラチェック(オークス)、サートゥルナーリア(ダービー)の鞍上に早々とレーンを据えた。いきなりビッグレース制覇の大チャンスを迎えた“豪運”の男は「彼(ルメール)にとっては残念なことだが有力馬の騎乗依頼を頂けてラッキー。このオファーに結果で応えたいし応えなければならない」と力を込めた。

 レーンの凄さは数字で分かる。ここまで27戦6勝。複勝率は50%を超える。何より単勝回収値120円、複勝回収値152円はリーディング上位騎手と比べても抜群の数字。単純にレーンを買えば儲かるのだ。京王杯SCでタワーオブロンドンの手綱を託す藤沢和師も「いきなり結果を出して素晴らしい。あの若さで相当の実績がある。腕は確かだ」と語る。

 ノームコアは近走、スタートでつまずいたり、勝負どころでインから動けなかったりと運がなかった。競馬界一ツイている男とのコンビは望むところ。「日本のG1は楽しい。声援が熱く雰囲気が素晴らしい。あの舞台で勝つことを楽しみにしたい」。レーンの願いはあっさりかなうことだろう。

 ◆ダミアン・レーン 1994年2月6日生まれ、オーストラリア出身の25歳。「歩きだした時には既に周りに馬がいた」という環境で育つ。豪州に移籍した日本馬トーセンスターダムでG1を2勝するなど以前から日本と縁があった。25歳にして既に970勝以上、G1・15勝。宝塚記念(6月23日、阪神)週まで騎乗を予定している。

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2019年5月9日のニュース