競馬学校騎手課程38期生 紅一点の今村聖奈さん「女性初G1勝ちたい」

[ 2019年4月3日 05:30 ]

<競馬学校 入学式>今村聖奈さん(右)は元騎手である父・康成さんと入学式で握手を交わす(撮影・西川祐介)
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 JRA競馬学校の「騎手課程38期生」の入学式が2日、千葉県白井市の同校で行われた。紅一点の今村聖奈さん(15)や、現役調教師の角田晃一師(48)を父に持つ角田大河君(15)ら9人が入学。22年デビューを目指して3年間の学校生活がスタートした。

 16人目の女性入学者となった今村聖奈さん。受験者110人中、合格者9人という狭き門を突破して満開の桜が彩る競馬学校の門をくぐった。入学式後の会見で「常に謙虚な姿勢を持って、一人前の騎手になりたい。JRAの女性ジョッキーとして初めてG1を勝ちたい」と力強く宣言した。

 12年に騎手を引退し、現在は飯田祐厩舎で助手をしている父・康成さん(40)の背中を見て育った。小学5年で栗東トレセンの乗馬苑に通い始め、草競馬やジョッキーベイビーズ予選に出場しながら騎手になりたいという思いを強くした。「父のように格好いいジョッキーになりたいと思った」。01年の中山大障害をユウフヨウホウで制し、G1ジョッキーとなった父は一番の憧れの存在。娘の晴れ姿を見守った康成さんは「娘3人(聖奈さんは長女)なので、まさか女性で、こういう形で競馬学校に来るとは思っていなかった。大変なことがたくさんあるだろうけど、ケガなく無事に学んでほしい」と思いやった。

 今年のフェブラリーSでJRA女性騎手として初めてG1に騎乗するなど、メキメキと腕を上げている藤田菜七子の活躍で、女性ジョッキーを取り巻く環境は大きく変わった。今年3月からは永久2キロ減の女性騎手減量特典が導入された。康成さんは「藤田さんが凄く頑張っているし、女性騎手が活躍できるようになっていて、いい時期に入れたと思う」と話す。

 入学式の前には1学年先輩となる37期生の騎乗供覧を見学し、菜七子に続く女性騎手を目指す古川奈穂さん(18)と永島まなみさん(16)の手綱さばきを見て瞳を輝かせた聖奈さん。「今はドキドキワクワクしています。壁にぶつかったときでも常に自分の原点に戻って諦めずに続けたい」。真っすぐに前を見つめ、夢への第一歩を踏み出した。

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