【阪神SJ】石神「何百年に1頭の馬」オジュウと11カ月ぶり再コンビ

[ 2019年3月5日 05:30 ]

阪神JSでオジュウチョウサンに11カ月ぶりにコンビを組む石神
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 昨年暮れの有馬記念で9着に健闘した平地、障害二刀流のオジュウチョウサン(牡8=和田正)が阪神スプリングジャンプ(9日、芝3900メートル)で今年初戦を迎える。昨年4月の中山グランドジャンプ以来、約11カ月ぶりの障害復帰。コンビ復活となる障害の主戦・石神深一(36)に相棒への思い、再コンビへの意気込みを聞いた。 阪神SJ

 ――オジュウチョウサンの障害復帰が決まり、昨年4月の中山グランドJ以来のレース騎乗となる。コンビ復活についての心境は?

 石神 びっくりしました。正直、もう障害を走ることはないと思っていたので。他陣営から依頼もあり、既に別の馬で春のスケジュールを組んでいた。またオジュウに乗ることができるのは素直にうれしいが、オファーを断るのは心苦しかった。“オジュウなら仕方ないよ”と言ってもらえたのが救いです。

 ――昨年末、オジュウは有馬記念に挑戦。どう見たか?

 レース前の装鞍までは立ち会いました。周りで歩いているのは本当にいい馬ばかり。オジュウは意外に平然と歩いていたが、僕の方がソワソワしてしまって(笑い)。返し馬でのお客さんの声援を聞いて、もし僕が乗っていたら凄く緊張したと思います。あの雰囲気の中で普段通りに乗ってくるトップジョッキーは凄いなと、改めて実感しました。オジュウもあの位置取りしかないというレース。よく頑張ったと思います。

 ――自身はオジュウ不在となった前日の中山大障害をニホンピロバロンで制した。

 僕自身も“オジュウじゃないと勝てない”と思われたら嫌。そういう意地みたいなものはありました。あまり依頼のない関西馬で期待に応えることができたのも大きな自信になった。勝てればいいではなく、1着を意識して乗る。そういうレースができました。

 ――相棒は11カ月ぶりの障害戦。ずっと平地を使ってきて何か変化は?

 特にないです。平地を使っている間も飛越はやっていたし、体の使い方に違和感もない。昨秋の放牧明けはバランスが悪くて左トモ(後肢)に力が入らない感じだったが、今はそういうこともない。

 ――不安はない?

 いつも僕が思っている以上に、期待に応えてくれる馬。僕自身も障害では何十年、何百年に1頭出るか出ないかの馬だと信じている。何か心配したらオジュウに失礼だと思っています。1つだけ考えているのは、レース前日のスクーリングをいつもより時間をかけてやろうかなと。

 ――最後に抱負を。

 まだこの先が決まっていない(中山グランドJと天皇賞・春の両にらみ)が、まず僕はこの一戦に集中するだけ。舞台となる阪神3900メートルは、たすきコースの割にスピード競馬になりやすい。十分気をつけて強いオジュウを見せたい。もちろん「負けない」という気持ちで乗ります。

 ◆石神 深一(いしがみ・しんいち)1982年(昭57)6月3日生まれ、茨城県出身の36歳。父富士雄さんは元JRA騎手(92年引退)。01年3月デビュー。同31日の中山3Rライデンノハナで初勝利。07年から障害騎乗を増やし、13年新潟ジャンプS(アサティスボーイ)で重賞初制覇。16年中山グランドジャンプから昨年の中山大障害まで障害G1・6連覇中。JRA通算3442戦138勝、うち障害761戦61勝。重賞は全て障害で12勝。

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