【東京新聞杯】インディ 衝撃超速レコードV!1番人気連敗「11」で止めた

[ 2019年2月4日 05:30 ]

<東京新聞杯>レースを制したインディチャンプ(右から2頭目)(撮影・郡司 修)
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 マイル戦線の有力古馬が集結した「第69回東京新聞杯」が3日、東京競馬場で行われた。出遅れながらも中団インを確保した1番人気の4歳馬インディチャンプが残り1Fで先頭に立って快勝。1番人気の制覇は12年ぶりとなった。勝ちタイム1分31秒9はレースレコード。3連勝で重賞初制覇を飾り、安田記念(6月2日、東京)に名乗りを上げた。京都の「きさらぎ賞」は3番人気ダノンチェイサーが2番手から抜け出して重賞初V。池江泰寿師(50)は歴代最多のきさらぎ賞4勝目。JRA重賞14年連続制覇を決めた。 レース結果

 またも強い4歳馬の新星が出現した。1番人気インディチャンプはまさかの1馬身出遅れ。場内に起きた小さなどよめきは90秒後、称賛へと変わった。「一番悪い面が出た。ただ、その後のリカバリーがうまくできた」。1番人気馬の連敗を「11」で止めた福永は涼しい顔で振り返った。

 人馬とも全く慌てるところがなかった。忍者のように内ラチ沿いでポジションを上げた。4角ではインの6番手。ポイントはロジクライをどうかわすかだけ。外からパスして残り1Fで先頭に立つと馬は手前(軸脚)をサッと替え、瞬時に引き離した。残り100メートルで明らかにフワフワして後続に迫られたが、半馬身差押し切った。「直線までうまく脚がたまり、あとはどうさばくかだけ。1頭になると遊んでしまう面がある。重賞であんなに早く先頭に立てるとは思わなかったからね」(福永)

 デビュー2連勝と高い素質を示したが陣営は勝負を急がなかった。昨年夏は自己条件で地道にコツコツ。7月中京の有松特別1着後は秋を全休。これが英断だった。「一度栗東に戻ったが熱発で再放牧。一からやり直したのが良かった」と音無師。12月の元町S、8キロ増とたくましさを増した馬体で復帰戦を飾った。そして東京新聞杯。関東圏の競馬は初めてだったが馬体重は増減なし。輸送もしっかりクリアした。

 春の目標は今回と同舞台の安田記念とはっきり定まった。ただ、G1・9勝を誇る指揮官は課題も口にする。「まずゲート。正直出遅れるとは思わなかった。抜け出して遊んでしまう。その辺も課題」。1分31秒9の東京新聞杯レコードにも「先行馬が引っ張ってくれてつくれた時計」と、そっけない。心身とも急成長を遂げたが、まだ楽観はしていない。今後は安田一本か、1戦挟むか。まずは放牧に出して疲労を癒やす。

 福永はこう語った。「ポテンシャルは高い。遊んでいるというのは逆に伸びしろがあるということ。G1でもいい競馬をしてくれるはず。きょうは期待が確信に変わった」。昨年のマイルCS優勝馬、同期の4歳ステルヴィオが先を行くマイル戦線。そこに強烈な挑戦状を叩きつけたことは間違いない。

 ◆インディチャンプ 父ステイゴールド 母ウィルパワー(母の父キングカメハメハ)牡4歳 栗東・音無厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績8戦5勝 総獲得賞金1億881万8000円。

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