山田 距離誤認で騎乗停止から丸刈り復帰、激励に感謝

[ 2019年1月15日 05:30 ]

復帰しペイシャラトゥールに乗る山田(撮影・西川 祐介)
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 昨年10月13日の新潟6RでJRA史上初の距離誤認で3カ月の騎乗停止となっていた山田敬士(21、美浦・小桧山)が、処分期間の満了でレースに復帰した。

 山田が“みそぎ”の丸刈りでターフに帰ってきた。

 「最初のパドックで“頑張れ”の声が聞こえた。横断幕も出ていたし本当にありがたい」

 温かい声援が飛び交う中、山田が再出発のゲートを出た。復帰戦は4鞍。騎乗できる喜びと、支えてくれた人たちへの感謝の気持ちを込めて手綱を握り、必死に馬を追った。結果は13、8、9、9着。

 「休んでいる間はテレビでレースを見ていたが、実際に乗ると感覚にズレがあると感じた。2鞍目以降はだんだん慣れたが、まずはそこを修正しないと」

 勝負の世界に戻ってきた21歳は悔しそうに頭をかいた。丸刈りにしたのは12日。所属する小桧山厩舎の調教助手に手伝ってもらい髪を5厘(約1・5ミリ)にした。

 師匠の小桧山師からは「とりあえず無事に回ってこい」と背中を押されて再起への一歩を踏み出した。3Rの騎乗馬ペイシャラトゥール(8着)は、距離誤認でまたがったペイシャエリートと同じ北所直人オーナーの所有馬。中山で同オーナーと顔を合わせると「このために来たんだ。応援しているぞ」と励まされた。検量室では多くの調教師、騎手仲間が山田に優しく声を掛ける。実直な人柄のルーキーを競馬サークル全体で支えた。

 「まだ結果を出せていないが、結果を出せるように精進します」と汚名返上を誓った山田。今週こそは“恩返しの1勝”を手にしてみせる。

 ▽山田の距離誤認 昨年10月13日の新潟ダート2500メートル戦(向正面から約1周半するコース)。ペイシャエリート騎乗の山田は1周目のゴール板通過時にゴールと勘違いし最下位の12着に。翌14日から3カ月の騎乗停止処分を受けた。

 ◆山田 敬士(やまだ・けいし)1997年(平9)9月18日生まれ、東京都出身の21歳。小桧山悟厩舎所属。3度目の受験でJRA競馬学校に合格し、18年3月3日の中山1Rバロンボーテで初騎乗。同4月14日の福島6Rイペルラーニオで初勝利。デビュー年は292戦7勝。1メートル55、45キロ。血液型O。目標とする騎手は武豊。趣味はウインドーショッピング。

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2019年1月15日のニュース