【シンザン記念】ヴァルディV!昨年アーモンドに続き今年もカナロア産駒

[ 2019年1月7日 05:30 ]

内から抜け出し、粘りきったヴァルディゼール(左)(撮影・平嶋 理子)
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 19年もロードカナロア産駒旋風が止まらない!!京都競馬場で行われた「第53回シンザン記念」は北村友一(32)騎乗の4番人気ヴァルディゼールが直線インから鋭く抜け出してV。無傷2連勝で重賞初勝利を飾り、管理する渡辺薫彦調教師(43)も開業5年目でJRA重賞初勝利。昨年のアーモンドアイに続き、ロードカナロア産駒が2年連続で制した。

 今年もシンザン記念からロードカナロア産駒の期待の星が誕生した。直線でサッとインを突いたヴァルディゼール。北村友の右ムチにしっかり反応して先頭へ。抜けてからは左ムチに鼓舞され、グイッと前に出た。2着マイネルフラップとは首差だが、勝ち馬にはまだ余裕があった。

 「うれしい。ゲートが安定していない馬なので、五分に出て何とか好位で競馬したいと思っていた。まだまだ気性が幼く、抜け出してフワフワしたが、能力のあるところを証明してくれた」。北村友が笑みを浮かべた。ここ数年、関係者から期待の大きい32歳。追える、状況判断がいい、思い切りがいいという声を聞く。昨年の阪神JFでは2番人気クロノジェネシスで半馬身差2着。悔しさを味わった。今年は飛躍を期す年だ。「体も気性も若い馬。伸びしろがあると思う。ポテンシャルは高いので、うまく成長してほしい」と話した。

 渡辺師はJRA重賞18回目の挑戦で待望の初制覇。ナリタトップロードでの菊花賞制覇が99年。あれから20年が経過した。「(北村)友一が完璧に乗ってくれた。レース前から“内の方が馬場がいい”と話していた。ドキドキしながら見ていて、最後は外からやられたと思った」と苦笑いした。

 15年開業。渡辺師の師匠である沖師は、競馬とは騎手一人でするものではなく、牧場や馬主や厩舎スタッフの思いを感じながら乗るものだと常に話す。その愛弟子である渡辺師は調教師に向いている、好成績を上げるだろうという声は大きかった。「惜しいレースはあったが、ようやく勝てた。騎手時代とはまた違う。大変な仕事だが勝つと報われる。この勝利でうまく流れに乗っていきたい」と師は力強く語った。

 今後は未定。距離適性をじっくりと見極めていく考えだ。キャリア2戦目でのシンザン記念Vは史上初。出世レースを最短で奪取した大物に期待が集まる。

 《クラシック馬3頭輩出》 シンザン記念は出世レースとして知られる。優勝馬からは過去3頭のクラシック馬が誕生した。02年タニノギムレットはダービー、12年ジェンティルドンナと昨年アーモンドアイは桜花賞&オークス制覇。この2頭は秋華賞(クラシックではない)も勝ち、3冠牝馬に輝いている。ジャパンCを勝っているのも共通項。また、14年1着のミッキーアイルはNHKマイルC優勝。11年2着オルフェーヴルは3冠馬、16年10着ファインニードルはスプリントG12勝馬へと出世を遂げている。

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