【有馬記念】オジュウ“ありがとう”ファンの記憶に刻まれた9着

[ 2018年12月24日 05:30 ]

<有馬記念>2周目、4コーナーを回るオジュウチョウサン(左)(撮影・木村 揚輔)
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 4角2番手のイン。オジュウチョウサンが最後の力を振り絞った。武豊の右ムチが飛ぶ。だがジリジリとしか伸びない。坂上でのまれた。9着。だが、引き揚げる姿に拍手が起こった。

 「いいレースができた。自分がしたかったレース。馬の状態も良く本当に頑張ってくれた。直線を向いて、オッと期待を持てるくらいの手応え。4角の走りには感動した。ナイストライ!思い出に残る有馬になった」。武豊はそう語りながらうなずいた。

 前々日、前日と驚きの単勝2番人気。最終的には5番人気に落ち着いたがファンは夢に懸け、1票を投じた。名手も期待に応えた。好スタートを決め、ハナに行きかけた。結局はキセキを行かせたが、序盤の鍵を握った。「雨で馬場が悪いのは分かっていたが、1枠を引いた時点で内ラチ沿いを行くと決めていた。ノメって走りづらそうだったが精神力で頑張った」。見せ場は十分につくった。

 和田正師は唇をかんだ。「何とか勝つためにやってきて、ここで連勝が(11で)止まった悔しさはある」。ただ、手応えもあった。「初めて平地の超一流馬と戦い、ある程度の位置で運んで見せ場はあった。もっとやっていけば通用するのではという内容だった」。平地続戦への感触はつかんだ。

 レース後の馬房では長沼昭利厩務員がオジュウチョウサンの顔を丁寧に拭いていた。「いつもは他の馬に泥をかけてくる方なのに、今日は泥だらけの顔で帰ってきた。こいつが一番悔しかったでしょう。でも、速いレースに対応するのが大変な中、本当に頑張ってくれた」。そう語ると、55歳のベテランは涙を流した。

 「敗軍の将兵を語らずだよ。もう少し思い切って行ってもよかったが…」。長山尚義オーナーは、そう言い残して悔しそうに競馬場を後にした。平成最後のグランプリに現れた二刀流。その懸命の走りはファンの心に深い蹄跡を残した。

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