【有馬記念】(1)オジュウチョウサン 好調サイン出た

[ 2018年12月23日 05:30 ]

夜明け前の美浦南コースで最終調整するオジュウチョウサン(撮影・郡司 修)
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 午前4時35分。オジュウチョウサンが夜明け前の美浦南コースへ入った。大一番への最終調整。角馬場の準備運動の段階から気合乗り満点。約15分間の乗り運動を終えWコースへ。首をグッと折り曲げ、地をはうような低い姿勢のキャンター。スタンド前の直線で加速するとゴールを過ぎてもスピードを保ったままコーナーを回った。

 コースの出口には、馬場内まで愛馬に付き添い、ひと足早く引き揚げて待つ担当の長沼厩務員の姿が。「どんな動きだった?馬場の中で暗くてよく見えなかったんだ」。報道陣に逆取材。見たままを伝えると「よし。それでいい。地面を掘り起こすような走りだっただろ。それが好調のサイン。前走の頃は普通に走って、そういう感じがなかったんだ」。満面の笑みは確信の裏返しだ。

 引き揚げてくる愛馬を待つ間、話題は枠順抽選会へ。「武さんは凄い。あそこで1番を引いてしまうんだ。しびれたよ。あの時点から、何かドラマが始まっているような気持ちだよ」。少し興奮気味の長沼厩務員とは対照的に、和田正師は沈着冷静。歩様を入念に確認すると「順調ですね。気合は入っているが、ガムシャラに行ってるわけでもない」。端的な感想を口にして「次の調教があるので」と足早に厩舎へ。管理馬はオジュウだけではない。大一番を前にしても、厩舎の日常は変わらない。

 指揮官は障害のパートナーで、調教も担当する石神への感謝の言葉を口にする。「難しい面がある馬。それでも彼は“オジュウに乗るのは楽しい”と引き受けてくれた。調教の加減も彼が一番分かっている。ありがたいです」。石神は中山で騎乗のため、最終調整にまたがることはなかったが、ニホンピロバロンで見事に中山大障害V3を達成。最高の形でバトンを渡した。今度はオジュウが、相思相愛の相棒に最高の恩返しをする番だ。

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2018年12月23日のニュース