【有馬記念】30歳ナイスネイチャ 元気に余生 5度出走で3着3回

[ 2018年12月22日 06:10 ]

30歳の今も元気なナイスネイチャ(引退馬協会提供)
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 有馬記念に5度出走して盛り上げたナイスネイチャも元気だ。

 平成の有馬記念を彩った1頭がナイスネイチャ(セン30、父ナイスダンサー)だ。有馬記念には3歳時の91年から5年連続出走。これは6戦のコスモバルクに次ぐ出走回数だ。成績は3、3、3、5、9着。「ブロンズコレクター」「善戦マン」の異名の由来はここにある。

 そのナイスネイチャは30歳を迎えた今も北海道浦河町で元気に暮らしている。01年に種牡馬登録抹消後、生まれ故郷の渡辺牧場へと戻った。同牧場は生産と並行して引退馬の受け入れも行っていたが11年、生産をやめて養老牧場へ一本化。ナイスネイチャは仲間とともに余生を過ごす。

 同牧場の渡辺はるみさんは「日々、生き生きとして元気です。馬体もいいし目力もある。年を取ったなりの落ち着きもあります」と語る。放牧地ではセントミサイル(93年クリスタルC)、メテオシャワー(3勝)と仲良くしてきたが、今年6月にセントミサイルが死に、新たにリゲルナイト(南関東4勝)を仲間に迎えた。

 「ファンの方は今もニンジンやお守りを持ってお越しになります。年間で延べ300人になります」(渡辺さん)。現役時にコンビを組んだ松永昌博元騎手(現調教師)も年に1度、牧場に顔を出す。放牧地でニンジンを食べさせ、優しそうな笑みを浮かべるという。

 同馬は現在、認定NPO法人「引退馬協会」が所有。会員を募って引退後の馬たちを支える。「ファンの方、一般の心優しい方々のおかげでナイスネイチャは元気でいられます」。最後に有馬記念を走ってから23年。かつての善戦マンは今年の暮れも、はるか北海道から後輩たちに声援を送る。

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2018年12月22日のニュース