【有馬記念】(12)レイデオロ完璧 ルメール、豊超えへ

[ 2018年12月21日 05:30 ]

引き当てた枠順を見せるレイデオロのルメール(右)と藤沢和師(撮影・村上 大輔)
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 壇上で思わず安どの笑みがこぼれた。ルメールが引いたのは12番枠。「ちょうどいい枠です。優勝した日本ダービーと同じ馬番。ばっちりです」とちゃめっ気たっぷりに右手の親指と人さし指で丸印をつくった。「スタートの形態(向正面発走後すぐに3コーナー)を考えると、大外枠は大変です。内枠もスローペースだと馬群が密集するので出口を見つけるのが大変。だから中枠」。ルメールの希望にほぼかなう枠順だ。

 壇上で隣に並んだ藤沢和師もルメールに全権委任。「有馬を勝つポイント?フランス人です。シンボリクリスエスもゼンノロブロイもペリエ(フランス人騎手)で勝ったから」。12番枠は有馬記念でわずか1勝だが、03年に連覇したシンボリクリスエスの馬番。「今年のフランス人もうまく乗るさ」と本人を前に語ると「大丈夫。自信を持っていきます」と笑みを返した。

 今年はルメール・イヤーだった。JRA年間勝利数は20日現在で205勝。JRA移籍4年目で初めて200勝の大台に到達した。開催3日間を残して武豊の持つJRA年間最多勝(212勝)にもあと7勝。「昨年(199勝)は大台にあと1勝足りなかったので今年一番の目標でした。武さんのレコードも超えたいですが、一戦一戦しっかり乗ることが一番大切です」。今週土曜は阪神、日曜は中山で各9鞍の騎乗。最終日の28日も中山で騎乗依頼が集まっているだけにユタカ超えの可能性は大きい。

 ビッグタイトルも量産した。G1年間最多勝記録を2勝塗り替える8勝。「1年で2頭のスペシャルホースに騎乗できたのが何よりうれしいです。レイデオロとアーモンドアイ。来年は今年ほど勝てないと思うが、この牡牝のチャンピオンホースで世界にトライするのが楽しみ」と期待を口にする。

 その前に大一番が待っている。「日本で勝った最初のG1が有馬記念(05年ハーツクライ)。ファン投票という母国にはないスタイルのレースだし、毎年乗りたい、勝ちたいと思っています。もちろん今年も…ビッグチャンスです」。一年の総決算である有馬記念。今年はルメールこそが勝者にふさわしい。

 【18年のルメール】

 18年4月8日 桜花賞をアーモンドアイで制して今年G1初勝利。

 8月26日 札幌でWASJを初制覇。

 11月4日 秋華賞(アーモンドアイ)→菊花賞(フィエールマン)→天皇賞・秋(レイデオロ)→JBCスプリント(グレイスフルリープ)で史上初のG1・4週連続Vを決める。

 同25日 ジャパンCをアーモンドアイで勝ち、史上最多のJRA・G17勝目を挙げる。

 12月1日 武豊に次ぐ、史上2人目のJRA年間200勝を達成。

 同15日 2年連続のリーディングを確定させる。

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