【有馬記念】レイデオロ“王道V”へ!坂路1本追加で「いい感じ」

[ 2018年12月17日 05:30 ]

<有馬記念>凍てついたウッドチップコースで追い切るレイデオロ(撮影・村上 大輔)
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 主役は譲れない――。「第63回有馬記念」(23日、中山)にファン投票1位で出走するダービー馬レイデオロ(牡4=藤沢和)が16日、日曜追いを行った。現役最多の有馬3勝を誇る藤沢和師は、Wコース調整に加えて急きょ坂路1本を追加オーダー。有馬の勝ち方を誰よりも知る名伯楽が、愛馬に一層磨きをかけるべく即興でタクトを振った。

 有馬記念最多タイの4勝目を狙う名伯楽が、絶妙なさじ加減で黄金を磨き上げた。

 Wコースを単走(5F56秒7〜1F14秒5、馬なり)で駆け抜けたレイデオロが引き揚げてくるやいなや「坂路に行きます」と、藤沢和師が手応えを聞きに集まった報道陣を制した。調教メニューに急きょ坂路を1本追加。馬なりで4F61秒3〜1F14秒8と決して速い時計は出さないが、きっちり負荷をかけた。

 「順調ということで。いい感じです。この時期だから余裕があるが、こんなもんだろう。速い時計をあまりやりたくなかったので馬場から坂路へ行き、ゆっくりのところを2本いった。問題ないです。水曜(12日)にやっているし、また今週の水曜に同じくらいできる。間隔を空けて馬が落ち着いているし、元気が出てやる気も十分。楽しみですよ」

 有馬記念は02、03年シンボリクリスエス、04年ゼンノロブロイで3連覇。池江泰寿師の4勝に続く現役最多3勝を挙げる指揮官がひとさじ加えたスパイスはさんしょうのごとく、ほんの少しでもピリリと効く。朝日に照らされて坂路を駆けてきた愛馬を、納得の笑みで見守った。

 話題性では障害王者から異例の転身を果たした“二刀流”オジュウチョウサンに譲ったが、ダービー馬としてファン投票1位の座は譲らず11万293票を獲得した。「みんなが応援してくれてありがたい。1位で臨むということは頑張らないと。人間が張り切り過ぎないよう、ミスがないように本番までやっていく。人間は少し緊張するが、馬は緊張しないからね」。最後のひと言は藤沢流の肩の力が抜けたジョーク。03、04年はファン投票1位、レースでも1番人気に支持された中で期待に応えてみせた。人気の重みも勝負の重みも知るからこそ冗談も言える。

 「クリスエスやロブロイは凄かった。でもレイデオロもホープフルS(当時はG2)、ダービー、天皇賞・秋とこんなに順調な馬はいない。オールカマーから天皇賞がすぐで気負っていたから、結果的にこのローテーションで良かった」

 “黄金の王”レイデオロが進む王道は、指揮官が誰よりも知る道だ。

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2018年12月17日のニュース