【朝日杯ＦＳ】マーズ　無敗頂点！男の意地でアレグリア止めた

＜朝日杯ＦＳ＞快勝したＭデムーロ騎手騎乗のアドマイヤマーズ（左）（撮影・田中　健作）
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　「第７０回朝日杯ＦＳ（Ｇ１）」は１６日、阪神競馬場で行われ、２番人気アドマイヤマーズ（牡２＝友道）がデビューから４戦無敗で優勝。ミルコ・デムーロ（３９）がこのレース最多タイとなる４勝目を挙げ、１０週連続で外国人騎手によるＪＲＡ・Ｇ１勝利となった。牝馬３８年ぶりのＶを目指したグランアレグリアは圧倒的な１番人気に支持されるも３着に終わった。

　無敗馬対決は終わってみればアドマイヤマーズの完勝だった。絶好のスタートを切り、番手を追走するグランアレグリアをピタリとマーク。４コーナーを迎える前に手が動く。直線でグランアレグリアに並びかける。なかなか突き放すことはできなかったが、ラスト１Ｆを過ぎてトップギアが入った。グイッとひと伸び。２着クリノガウディーに２馬身差をつけて４連勝のＶゴール。ミルコが興奮気味に振り返る。

　「スタートをしてパッと前を見たらグランアレグリアがいた。ちょうどいいと思ったし、ずっと手応えもあった。早めに先頭に立ったけど、問題はなかった。エンジンがかかるのに時間はかかったけど、そこから伸びました」

　随所でミルコは“賢い馬”という表現を使った。自身も騎乗したことのある父ダイワメジャーを引き合いに「お父さんはパワーがあったけど、うるさい部分もあった。この馬は軽いし、普段はおとなしくて柔らかい。全然似てないよ」と話した。管理する友道師も、その点に同調する。

　「パドックは落ち着いているし、ジョッキーが乗ると気合が入る。頭のいい馬だと思う。ゲートのセンスもいいので、安心して見ていられます」

　無敗ロードは全てマイル、来年は距離延長という新たな旅に出る。友道師は「一度どこかを使って、皐月賞（１９年４月１４日、中山）を目指したい」と明言した上で「ジョッキーと話しても“距離はもう少しあってもいけそう”とのこと。春は選択肢を広げていきたい。馬場入りで若干テンションは高めだったし、落ち着いて馬場入りできるようにしたい」と課題も忘れていなかった。

　ミルコはチャンピオンズＣに続き、今月Ｇ１・２勝目を飾った。朝日杯ＦＳは歴代最多タイの４勝目。「ボクの競走みたいね」と笑った。菊花賞は友道厩舎のエタリオウに騎乗して悔しい鼻差２着。「すっきりとリベンジできたね」と晴れやかな表情を見せた。

　昨年は“ミルコロガシ”なる造語ができたほど、Ｇ１戦線でずっと馬券に絡んだ。一度リズムに乗せると手がつけられない。有馬記念はモズカッチャンに騎乗する。「素晴らしい競走。凄く盛り上がるし、頑張りたい」と意気込んだ。

　◆アドマイヤマーズ　父ダイワメジャー　母ヴィアメディチ（母の父メディシアン）牡２歳　栗東・友道厩舎所属　馬主・近藤利一氏　生産者・北海道安平町ノーザンファーム　戦績４戦４勝　総獲得賞金１億３２５４万７０００円。