【梅ちゃん先生 特別編】15日中山11R 仇討ちにちなんでデンコウアンジュ

[ 2018年12月15日 08:00 ]

 赤穂浪士が討ち入りを果たした14日の夜、平井の酒場に顔を出すと、女将が複雑な顔でテレビに視線を向けている。忠臣蔵ではない。画面に映っているのは土砂が投入された辺野古の美ら(ちゅら)海。「金城君は沖縄に里帰りしてるわ。辺野古にも近いヤンバル(沖縄本島北部)の今帰仁出身だから競馬どころじゃないはずよ」。役所広司主演のDVD「最後の忠臣蔵」を貸してやろうと思って酒場まで持ってきたのに、沖縄で何をやっているのか。

 近世以前は琉球国だった沖縄の忠臣蔵といえば…。第一尚氏6代の琉球国王に仕えながら謀反を疑われ、自害で忠節を全うした護佐丸。「゛辺野古の海を護佐丸も空から涙目で見ているぜ。今週は東京に帰れないから、おいしい穴馬券を携帯で教えろ」。金城からメールの返信があった。

 ターコイズSのデンコウアンジュ。安寿(アンジュ)と厨子王の姉弟といえば、森鴎外の短編小説「山椒大夫」で広く知られるようになった仇討ちの物語だが、デンコウアンジュは忠臣蔵の仇討ちの季節にも良く走る。昨年の同レースでは外枠だったせいで外々を回されながら、最速の上がりで勝ち馬から首+鼻差の3着。昨年と同ハンデで内寄りの枠を引いたとあれば狙える。赤穂浪士の討ち入りにちなんだ穴馬券。「俺は四十七士で馬連(4)(7)、枠連<4><7>だ。買っといてくれ」と金城は安寿の力を信用せずに空鉄砲を撃ってきた。

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