【チャンピオンズC】3歳が砂王!ルヴァンも「バケモン」

[ 2018年12月3日 05:30 ]

<チャンピオンズC>1着でゴールするルヴァンスレーヴ(左端)
Photo By 代表撮影

 アーモンドアイに続いた!!若き3歳馬がダート界を統一した。秋の最強ダート王を決する「第19回チャンピオンズC」が2日、中京競馬場で行われ、1番人気ルヴァンスレーヴが快勝。重賞4連勝でJRA・G1初Vを飾った。3歳馬の優勝は12年ぶり4頭目。鞍上ミルコ・デムーロ(39)は今秋G1初V。外国人騎手のG1制覇は8週連続となった。

 両手を高々と上げて脱鞍所に引き揚げてきたルヴァンスレーヴとM・デムーロ。検量室に入ると盟友ルメールが粋なセリフで祝福した。「砂のアーモンドアイだね」。ミルコが笑顔で応じる。「僕もそう思う。バケモンだよ」

 完勝だった。中団追走と思いきや、あっさり2番手を確保。まるでアーモンドアイのジャパンCのVTRを見ているようだ。4角で8枠2頭が外からかぶせても手応えの違いは歴然。前方が空くのを待って残り100メートルで先頭に立つと後続はお手上げ。影さえ踏ませず2馬身半差をつけた。「いい位置で折り合えたし、最後まで手応えも抜群。素晴らしい。信じられない。半端ない」。ミルコはありったけの言葉で称えた。

 ミルコにとっても待望のG1勝利。今秋のG1は外国人騎手が席巻中だが、ミルコだけが蚊帳の外。2着3回、3着2回の惜敗続きにようやくピリオドを打ち、偽らざる思いを吐露した。「周りは2、3着でも立派と言ってくれるが僕の性格上、1着じゃないと心が苦しかった。やっと勝てた。凄く気持ちいい。JBC(レディスC=ラビットラン)もマイルCS(ペルシアンナイト)も内枠で2着。嫌な感じだったが、今日は馬が助けてくれると信じていた。これで今までのことは忘れられる」

 萩原師はロジユニヴァースの09年ダービー以来のG1制覇。「ジョッキーは前の位置を意識していたが、馬もちゃんと反応できた。ゲートに課題があったが、力をつけてトモ(後肢)の左右差がなくなったことでスタートダッシュがついた」と勝因を挙げた。ミルコも「馬が1戦ごとにスタートに自信をつけている」と評価する。

 これで8戦7勝。ミルコとのコンビでは7戦全勝だ。「まだ3歳。心身共にレベルアップできる」と萩原師。次走はフェブラリーS(2月17日、東京)。その先はドバイか、米国か。「海外?どこでも乗りに行くよ。夢がいっぱいだね」。ミルコは少年のように目を輝かせた。

 3歳馬のチャンピオンズC制覇は01年クロフネ、05年カネヒキリ、06年アロンダイトに次ぐ快挙。3歳馬が同一年にJCとチャンピオンズCを制したのは01年以来、17年ぶりだ。ステルヴィオ(マイルCS)、アーモンドアイに続いて3歳関東馬がG1で古馬を撃破。風は東から。仏語で「風立ちぬ」と名付けられた若きダート王。風は海を渡り、さらに名声を高める日も遠くはない。

 ◆ルヴァンスレーヴ 父シンボリクリスエス 母マエストラーレ(母の父ネオユニヴァース) 牡3歳 美浦・萩原厩舎所属 馬主・G1レーシング 生産者・北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム 戦績8戦7勝(うち地方3戦3勝) 総獲得賞金2億8844万4000円(うち地方1億2500万円)。

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