ビュイック、実績の裏に恩師の理解

[ 2018年11月23日 05:30 ]

2013年、ドバイシーマクラシックを制したビュイック
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 【競馬人生劇場・平松さとし】先週のマイルCSはステルヴィオが優勝した。騎乗したのはウィリアム・ビュイック騎手。今回は彼の実績を振り返り、ここに至るまでの少年時代のエピソードを紹介しよう。

 1988年7月生まれで現在30歳。ノルウェーで生まれたが国籍的にはデンマーク人。4人兄弟の長男として父ウォルター、母マリアの下で育てられた。父は北欧のリーディング騎手。母も馬場馬術の選手ということで、物心がついた時には馬に乗っていたという。

 2006年にデビューすると翌07年には67勝を挙げ、最優秀見習騎手となる。09年にE・P・テイラーSで自身初のG1制覇を飾ると、以降は毎年のようにビッグレースを勝ち、11年には年間100勝を突破する勝ち星を挙げた。

 制したG1の代表例としてはナサニエルによるキングジョージ6世&クイーンエリザベスS、ダーレミのドバイシーマクラシック、アークティックコスモスのセントレジャー、ホークビルのエクリプスS、ザフューグによるプリンスオブウェールズSやリブチェスターのクイーンアンS。そして今年はマサーに騎乗してついに英国のダービーも勝ってみせた。

 超一流の実績を築き上げる彼は中学生時代、毎朝調教に騎乗した後、学校に行っていたと語る。「調教に乗らない日はありませんでした。おかげで学校に遅刻する日はありましたけど…」。

 そんな彼にとって幸運だったのは当時の女性担任教師に理解があったこと。「将来、騎手になりたいと考えていた僕のことを分かっていてくれた彼女は、学校に遅刻しても成績には全く響かないように配慮してくれました」。ステルヴィオでG1を勝ち、ジャパンCではサトノクラウンに騎乗する彼だが、中学時代の担任がもし違う先生だったら、全く違う歴史になっていたかもしれない。

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2018年11月23日のニュース