【ジャパンC】アーモンド、極上の加速!ルメールも大興奮

[ 2018年11月22日 05:30 ]

ルメールを背に併せで追い切るアーモンドアイ(右)(撮影・村上 大輔)
Photo By スポニチ

 史上最強レーシングカーの加速力だ。「第38回ジャパンC」(25日、東京)の追い切りが21日、美浦、栗東トレセンで行われ、3冠牝馬アーモンドアイが圧巻の末脚を披露。12年のジェンティルドンナ以来2頭目となる3歳牝馬のJC制覇へ前進した。同レースの枠順は22日に確定。馬券は23日に都内の一部ウインズなどで前々日発売される。

 天井知らずの進化を告げる3冠牝馬のストライド。「フェラーリの加速力だ」。アーモンドアイの追い切りに騎乗したルメールが、紅潮した顔で手のひらに残る手綱の感触を口にした。「フェラーリなんて乗ったことないから分からないよ。(ゴーン氏が会長を務める)ルノー車じゃないのか」。国枝師の辛らつなジョークにも表情を変えずにこう続ける。「いや、フェラーリのエンジンを積んだマセラティ(イタリア高級スポーツカー)に乗ったけど、アクセルを踏むと瞬時にトップスピードに入る。アーモンドアイと一緒です」

 鹿毛のフェラーリがWコースで躍る。前脚を肩から投げ出すような独特の走法。関節の広い可動域を生かした父ロードカナロア譲りの大きなストライドだ。直線入り口、1馬身先行したウォリアーズクロス(5歳1600万)に並びかける。アクセル代わりにハミを掛けた途端に馬なりのまま5馬身突き放した。

 なくて七癖。アーモンドアイにはバランスを取るために直線で手前(軸脚)を頻繁に替える癖がある。「今春は追い切りでも数え切れないぐらいコロコロ替えていた。でも、今回の追い切りで手前を替えたのは3回だけ。それだけ心身ともしっかりしてきた。新たな成長の証」とルメール。軸脚転換を抑えた、より滑らかな走行がフェラーリ級の加速を可能にした。

 「秋華賞は休み明けでトップコンディションではなかったが、今度は断然いい。100%の状態」とルメールが言えば、国枝師も口をそろえる。「体重こそ秋華賞(オークスから14キロ増の480キロ)と変わらないが、体つきにシャープさが出ている」

 歴戦の牡馬とは初対決になるが、ルメールに臆するところはない。「スペシャルフィリー(特別な3歳牝馬)です。たぶん今の日本で一番強い馬。G1・7勝のレジェンドホース、ウオッカと比べても同じぐらいの能力を持っている」と、自らの手綱で09年JCを制した女傑の名を挙げる。舞台はオークスを完勝した東京2400メートル。「道中リラックスして、直線だけフルパワー。自分のすべき仕事が分かっているプロフェッショナルな賢い馬だから大丈夫。それに、あのスポーツカーみたいな加速力だから」。進化を遂げた鹿毛のフェラーリに死角なし。

続きを表示

この記事のフォト

2018年11月22日のニュース