【ジャパンC】リチャード95点 毛ヅヤ良好で伝説の舞踊家 

[ 2018年11月20日 05:30 ]

一流馬にふさわしい上半身のスワーヴリチャード
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 サラブレッドが走る芸術品ならば、スワーヴリチャードは…。1912年にパリで初演されたバレエ作品「牧神の午後」。ロシアの伝説的なバレエダンサー、バーツラフ・ニジンスキーのデビュー作として知られています。牧神とはローマ神話に登場する牧畜の神で上半身が人間、下半身はヤギの姿をしています。

 上半身と下半身が別馬のように対照的なスワーヴリチャードはこの牧神になぞらえられる。上半身は一流馬にふさわしい輪郭。キ甲(首と背中の間の膨らみ)の発達に伴い、首から背中、腰、トモにかけて流れるようなラインを描いている。筋肉で盛り上がったトモや肩は弾力性に満ち、臀部(でんぶ)は分厚くて幅がある。腹袋も立派です。一方、下半身は頼りない。細い管囲、小さくて窮屈な左膝のつくり、立ち気味のつなぎ、左右で角度と大きさの異なる蹄…。下半身、特に前肢のつくりが硬いため、いったんバランスを崩すと立て直すのに時間がかかる。天皇賞・秋では出遅れた直後に他馬と接触、崩した体勢を立て直せずに最後方へ。発馬数完歩で万事休すでした。

 前走のダメージが残っていないのは不幸中の幸いです。トモや肩の筋肉や腹周りはしぼんでいません。毛ヅヤも良好。顔つきにも適度な緊張感があります。1番人気を裏切り、ファンから漏れたぼやき声も馬耳東風。立ち方は前走の大敗を忘れたようにハツラツとしています。過去のG1では前肢を遠慮がちに地面に添えて立っていました。引き伸ばされた胴体と頭を遠慮がちに脇へ寄せて描かれた、モディリアーニの名画「赤い肩掛けを着たジャンヌ・エビュテンヌ」のような立ち姿。ところが、今回は前肢にも体重をかけて遠慮なく立っている。牧神のように立派な上半身とアンバランスな脚元に気になるところがなくなったのでしょう。

 サラブレッドが走る芸術品ならば、バレエダンサー、ニジンスキーのデビュー作「牧神の午後」。スワーヴリチャードの血統を6代前にさかのぼると、このバレエダンサーにあやかった英国3冠馬ニジンスキーも名を連ねています。

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