【マイルCS】悲願成就!木村師“男泣き”開業8年目でG1初制覇

[ 2018年11月19日 05:30 ]

<マイルCS>ステルヴィオで初G1を制し、号泣する木村調教師(中央)(撮影・平嶋 理子)
Photo By スポニチ

 あふれる涙が止まらない。くしゃくしゃの顔で、関係者の肩を抱いた木村師。開業8年目、G1の壁には延べ15頭で跳ね返されてきた。「ようやく(G1の)タイトルを一つ獲れた。重たかった扉がついに開いた感じがする」。ウイナーズサークルにはG1ゼッケンをまとうステルヴィオ。愛馬の姿は涙でにじんだ。

 それまでにない好位からの競馬。ビュイックの好騎乗もあったが、新スタイルは厩舎の取り組みが実を結んだ結果でもあった。「ポジションが後ろからで勝ち切れないレースが続いていた。この中間、厩舎での取り組みも変えて挑んだ。答えが分からずレースに行くまで不安だったけど、スタートを出てくれてビックリした」。吸収力豊富な3歳馬。スタッフの努力は見事にターフで形となった。

 責任感の強い師を苦しめたのが、4着に敗れた皐月賞。「皐月賞はかなりチャンスがあると思っていたのに、トップコンディションで出して上げられなかった。私の失敗です」。早くから有力候補に挙げられたクラシックを無冠で終わらせてしまった罪悪感。「秋はなんとかこの馬のイメージを変えたいと。生意気ですけど、種牡馬にしたいという気持ちが凄く強いので」。3歳春の失敗からわずか6カ月。古馬G1で見せた姿は全く違うものだった。

 今後については「今は頭が真っ白で何にも考えられません」と笑った。まだ、伸び盛りの3歳秋。ようやく開いた扉の先には果てしない景色が広がっている。

 ◆ステルヴィオ 父ロードカナロア 母ラルケット(母の父ファルブラヴ)牡3歳 美浦・木村厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績9戦4勝 総獲得賞金2億7773万円。

続きを表示

この記事のフォト

2018年11月19日のニュース