JRA改革!菜七子ルール導入 大幅緩和で女性騎手の減量に恩恵

[ 2018年11月16日 03:00 ]

笑顔で検量室に戻る藤田菜七子騎手(撮影・郡司 修)
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 JRA(日本中央競馬会)が来年1月から女性騎手に限り、減量特典を大幅に緩和する新規定を導入することが15日、分かった。週明けにも正式発表される。現在は男女問わず3キロ減からスタートし、通算勝利が101勝に到達するか、デビューから6年目以上になると特典が消滅する。新規定では女性騎手だけは4キロ減から始まり、勝利数やキャリアに関係なく永久に2キロ減は保証される。これにより、藤田菜七子(21)を筆頭に女性騎手が一大勢力となる時代が到来するか。

 「菜七子ルール」ともいうべき、新たな規定が誕生する。現状では男性騎手と同じルール下にある女性騎手の減量特典。だが、来年1月から見習女性騎手は4キロ減からスタート。50勝以上で3キロ減へと移行し、101勝すれば2キロ減。見習い期間が過ぎたデビュー6年目からも2キロ減が永久保証されるというものだ。

 競走馬は牝馬は牡馬より負担重量は2キロ軽いが、騎手については男女平等の条件下で行われている数少ないプロスポーツ。今回の新ルール誕生の背景には、JRA唯一の現役女性ジョッキーである藤田菜七子の存在が大きく影響していることは想像に難くない。菜七子のJRA騎乗回数はデビュー3年目で早くも1200回(15日現在)。それを支えてきたのは騎乗技術とともに、人気と減量特典だ。馬の負担重量が軽ければ軽いほど有利になるのは明白。競馬界では重量が1キロ違えば、1馬身、0秒2差違うと評されてきた。日本に先駆けて女性騎手の減量策を採用したフランスの文献では「減量効果は距離が延びるほど大きく、2400メートル戦で2キロ減なら計算上、3馬身1/4のアドバンテージとなる」とも報告されている。

 菜七子は今年6月17日に通算31勝(JRA29勝、地方でのJRA交流競走2勝)に到達して、減量特典は3→2キロとなった。現在、通算48勝。あと3勝で51勝に到達し、2→1キロとなる。減量の恩恵が少なくなればなるほど、男性騎手に体力面で劣る女性騎手は不利となることが予想され、勝ち星が従来のペースで量産できない可能性も否めない。

 競馬はスポーツであると同時に興行でもあり、ファンが興味を持って馬券を買ってくれて初めて成立する。JRAではこれまでも若手騎手への“救済措置”を検討、実施してきた。菜七子がデビューした16年に、見習騎手の減量特典期間を3年から5年に延長。デビュー後の菜七子の集客力、競馬界のイメージアップへの貢献は計り知れず、JRAは再びの大英断を下した。「ポスト菜七子」として、現在の競馬学校在籍生、また来年入学予定の女性騎手をも後押しすることになる。

 ◆減量特典 騎手免許を取ったばかりの若手騎手は、ベテラン騎手に比べると技術が未熟で同一条件で競走した場合、どうしても不利になる。そのため、若手騎手に騎乗機会を多く与え、育成を図ることを目的に、免許の通算取得期間が5年未満であって、勝利数が100回以下の騎手(見習騎手)に減量制度が適用されている。なお、重賞、ハンデキャップ競走では減量特典は適用されない。

 ◆負担重量 競走馬が背負わなければならない重量のこと。騎手自身の体重(藤田菜七子は45.6キロ)、身につけている勝負服、またプロテクターや鞍のポケットに入れた重りなどを合わせた重量を指す。ヘルメット、ムチ、ゴーグルなどは含まない。

 【ボートレースでは女性選手が多数】ボートレースには約1600人の選手が在籍している。そのうち、約1割が女性レーサー。女性レーサーの人数は他の公営競技に比べても圧倒的に多く、男子と一緒に競走する男女混合のレースも多い。その実力差を補っているのが体重だ。選手のキャリアに関係なく最低体重が男子51キロ、女子は47キロに設定されている。この「体重差」はエンジンの伸びにつながるとされており、男性レーサーと互角に戦える環境をつくっている。

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