【JBCスプリント】ルメール4週連続G1V「止まりませんデス」

[ 2018年11月5日 05:30 ]

内で粘るマテラスカイに並びかけるグレイスフルリープ(撮影・長嶋 久樹)
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 ダービージョッキーが淀で魅せた。ダート競馬の祭典「JBC3競走」が4日、京都で創設以来初めて中央開催として行われた。「クラシック」は今年のダービーを制した福永祐一(41)騎乗のケイティブレイブ(牡5=杉山)がG13勝目。「スプリント」はグレイスフルリープ(牡8=橋口)が勝ち、昨年ダービーVの鞍上クリストフ・ルメール(39)は、いずれもJRA新記録となるG14週連続V&年間7勝を達成した。「レディスクラシック」はダービー2勝の横山典弘(50)騎乗のアンジュデジール(牝4=昆)が制した。

 G1の「4週連続」と「年間7勝」の“ダブル史上初”は競馬史に刻まれる大偉業。それを成し遂げたルメールはインタビュアーに水を向けられると、笑顔を絶やさず「(勢いは)止まりませんデス」と喜んだ。

 JBCスプリントはルメールの腕がさえにさえた。息をのむような一騎打ち。武豊・マテラスカイが自慢の逃げで押し切りを図ろうとするが、グレイスフルリープは最終4コーナーで直後に張り付く。そこからは2人の見応えのある追い比べ。ルメールが首差かわしたところがゴールだった。

 「完璧なレース。武さんの後ろも完璧なポジション。馬が頑張ってくれました」。ルメールが称えるリープは8歳馬。一般的にはピークを越している年齢だが、管理する橋口師は「昨年コリアスプリントを勝ってから自信をつけたのか、目覚めたのか…。8歳という感じはしない」と驚く。鞍上に記録男を配して臨んだことに「それが一番、心強かった。まさか勝つとは…。さすがルメールですよね」と最敬礼した。

 リープは16年2月末に父親(弘次郎元調教師)の定年に伴って引き継いだ。父親が悲願としたダービーを制したワンアンドオンリーは、同じノースヒルズ生産馬。初G1勝利を挙げた師は「この馬で勝てて本当に良かった。こんなにうれしいものなんですね。預けてくれたオーナーに感謝したい」と感慨に浸った。8歳でのJRA・G1初挑戦Vは日本馬史上初。名手の手腕と父子の絆が、隠れた偉業を生み出した。

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2018年11月5日のニュース