史上初の誤審!門別で1、2着が逆 正しい着順でも払い戻しへ

[ 2018年11月3日 05:30 ]

1日に行われた11Rの1着2着の着順誤審の判定写真(ホッカイドウ競馬提供)
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 ホッカイドウ競馬を主催する北海道は2日、道庁で緊急会見を開き、門別競馬場で1日に行われたメインレース「北海道2歳優駿」(交流G3、ダート1800メートル)で、1着と2着を取り違える誤審があったと公表した。日本中央競馬会(JRA)と地方競馬全国協会(NAR)によると、これまでに1着馬を誤った記録はなく、日本競馬史上初めての失態となった。

 同レースでは、男女2人の審判員が写真判定し、1番人気のウィンターフェルが1着、6番人気のイグナシオドーロが鼻差の2着と確定、払い戻しも行った。しかし、ゴール約10分後に写真を再確認し、順位が逆だと判明。2人は「2頭の毛色が似ていて、頭の輪郭も重なっていたため錯誤した」と話しているという。着差は約4センチだった。

 道は、間違った着順で既に支払った払戻金はそのままとし、正しい着順でも追加で払い戻す方針。正しい着順での追加払戻金は4種類(単勝、馬単、3連単、トリプル馬単)の馬券が対象で計1億268万9652円に上るという。場内で馬券購入し当たり馬券を捨ててしまった人については、各発売機ごとに購入履歴が残っているため、購入時間や金額など本人の申告と券売機の記録を照合することを検討しているが、詳細は所管する農林水産省やNARと協議していく。

 会見に出席した道農政部競馬事業室の田中源一室長(58)は「ファンに多大なご迷惑をお掛けし申し訳ない」と謝罪。誤審の公表が翌日になったことには「経験のないことで、どう対処すべきか、正直分かりかねた。すぐ公表すれば騒動になるとも頭をよぎった」と説明した。

 着順の誤審は、86年5月31日にJRAの阪神4Rで2着と3着馬を逆に判定したケース以来。この時は確定から3時間後に誤審を認めたが、後に当たり馬券を捨てた2人が払い戻しを求めて提訴。記憶していた購入金額とJRA側の馬券発売データが一致したことで購入者側が勝訴している。

 ホッカイドウ競馬は17年に過去最高となる発売総額約246億円を記録するなど好調だったが、今回の失態がファン離れに発展することも否定できない。

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