ウィンクスで快進撃!“勝ち続ける”ボウマンの知られざる重圧

[ 2018年11月2日 05:30 ]

史上初のコックスプレート4連覇を達成したウィンクスと馬上で喜ぶボウマン(撮影・平松さとし)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】10月27日にオーストラリアで行われたコックスプレート(G1)を優勝したのはウィンクス(牝7)。同馬はこれが29連勝目で22回目のG1勝ち。そして史上初のコックスプレート4連覇達成となった。

 この間、手綱を取り続けているのがH・ボウマン騎手。昨年のジャパンCでシュヴァルグランに騎乗し優勝したので日本のファンにもおなじみだろう。負け知らずで突き進む女王の背で、彼はどんな重圧を感じていたのか。1年以上前にインタビューした際、次のように答えていた。

 「勝ち続けなければいけないプレッシャーはもちろん、あります。でもウィンクスは本当に素晴らしい馬なので、その強さを信じれば、プレッシャーさえも楽しめます」

 そして迎えた今年のコックスプレート。舞台となるムーニーヴァレー競馬場は最後の直線が173メートルしかないトリッキーなコース。私はここでマカイヴィーディーヴァ(2003〜05年とメルボルンC3連覇などした名馬)が追い込み切れずに負けたレースを見たことがある。

 しかも今回はドバイターフでヴィブロス、リアルスティール、ディアドラといった日本勢に楽勝したベンバトルが挑戦してきたこともあり「連勝が止まるのでは?」という声がささやかれた。ところが終わってみればウィンクスはボウマン騎手に導かれ、今回も楽勝。そんな鞍上はさぞかしプレッシャーを楽しんだだろうと思い、話を聞くと思わぬ答えが返ってきた。

 「今回ほど重圧を感じたことはなかった。夜中に突然、目が覚めて眠れなくなる日もありました」

 勝ち続ける彼とて鋼の心臓を持っているわけではない。同じ人間である。コックスプレート4連覇を達成できて、本当に良かったと改めて思った。再びの来日が楽しみだ。

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2018年11月2日のニュース