【南武特別】オジュウ再始動 狙うは有馬V経由で凱旋門賞へ

[ 2018年10月30日 05:30 ]

愛馬の写真を手に笑顔の長山オーナー(撮影・村上大輔)
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 有馬記念を勝って、ドバイ、凱旋門賞へ――。今週の「南武特別」(11月3日、東京芝2400メートル)で有馬記念に向け秋の始動戦を迎えるオジュウチョウサン(牡7=和田正)。決戦を前にオーナーである株式会社チョウサン代表取締役の長山尚義氏の胸の内に迫った。オジュウは7月の「開成山特別」(福島芝2600メートル)で平地未勝利を卒業。その後、トモ(後肢)に違和感が出て予定のレースは変更となったが、24日の1週前追いではいい動きを披露していた。障害G1・5勝の平成最強ジャンパーの夢は海を飛び越え世界最高峰の舞台まで広がっている。

 ――開成山特別は3馬身差、最後は流して余裕の圧勝。

 「障害を跳びながら4000メートル走ってもケロッとしている馬。負けるなんて全然考えていなかった。レースは安心して見ていた。500万レベルでどうこう言うくらいなら出走させない。その先、有馬記念を見ているから」

 ――平地初勝利を挙げ、目標の有馬記念にファン投票で選ばれれば出られるようになった。

 「開成山のときに、武豊騎手をさすがだなと改めて思う出来事があったんだ。彼は真っ先に上がり3Fの時計(37秒1)を確かめた。平地で勝負するとなれば上がりの脚が求められる。目の付けどころがやはり日本一のジョッキーだなと。中山GJでは63キロを背負って上がり36秒台の脚を使う馬。彼もそれにはビックリしたと言っていた。うれしくなったね」

 ――平地の一線級と戦っても楽しみという自信はどこからくるか。

 「オジュウは心肺機能が凄くいいし、跳びも大きい。これまでいろんな馬を持ったが、平地を走るのは心肺機能と一完歩の広さだと思う。武くんはその点をよく見ている。さらにいいところはスタートが速い。開成山のスタートでスタンドから“タケ跳べ!”っていう声が聞こえたけど(笑い)、出た瞬間に勝ったと思った。スタートが速ければどんなレースもできる」

 ――開成山特別の日の福島競馬場はG1かというほどの雰囲気。ただ、応援する声もあれば否定的な意見もある。

 「グッズ売り場に長蛇の列ができた。先日は競馬場でオジュウのタオルを持っている人がいて、うれしくなって思わず自分が持っていたオジュウグッズをあげちゃったよ。応援してくれる人が多くてうれしい。否定の意見もあるが、障害ではもう敵がいないのだから、じゃあどこまでの力があるのか。障害にとどまるのはオジュウが持つ底知れない可能性をつぶしてしまうこと。それはエゴであって、オジュウのために可能性を広げてあげるのは自分の義務だと思う。どれだけ強くても障害ではと言われてしまうし、種牡馬にもなれない。前例がないから批判されるなら前例をつくればいい」

 ――次走は南武特別。もし敗れたら有馬参戦はどうなるか。

 「まず、1000万で負けるとは全く思っていない。有馬で平地の一線級とやっても勝てると思っている。そう思わなきゃ平地に転向させない。学生時代から血統書を読み込んだり、馬も100頭以上持ってきた。とにかく私は競馬オタク。だてに馬オタクを50年以上やっていない自負はある。前走は圧勝だったけど、パワーがあるから道悪がいいと思われがちだが良馬場の方がもっといいと武くんも話していた。今回はレースで秘策も。福島と東京コースは違うからね。前回とは違うレースになるだろう。(否定的な意見も)今度はもっと黙らせちゃうかも」

 ――G2アルゼンチン共和国杯へ向かうプランもあったが、鞍上に武豊を確保するため南武特別に。有馬でもし確保できないときは?

 「有馬も依頼するし、乗ってくれると思っているんだけど(笑い)。でも2番手は石神くんと決めている。日本一のジョッキーに乗ってもらいたいと武豊騎手を指名した。でもそれがダメなら今も調教に乗っていて一番オジュウのことを知っている石神くん。彼なら無尽蔵のスタミナを信じて思い切って乗ってくれる」

 ――ほかに候補の騎手はいるか。

 「ケガとかで石神くんも乗れなかったら藤田菜七子騎手でもいいね。ベテラン騎手より、障害馬という先入観なく乗ってもらえる若手の方がいいかもしれない。とはいえ、2番手は石神くん以外は考えていないけどね」

 ――南武特別後のプランは。

 「もちろん有馬記念。有馬記念を勝ったら来年はドバイ、宝塚から凱旋門賞に行きたい。夏にフランスからG1カドラン賞の招待が来たが、フランスの馬場は合いそうと武くんに言ってもらった。それくらい力がある馬だと信じている。ありがたいことに、今や“みんなのアイドル”となったオジュウチョウサンを皆さん応援してください」

 ◆長山 尚義(ながやま・なおよし)1945年(昭20)5月25日生まれ、東京都港区出身の73歳。JRA馬主である株式会社チョウサンの代表取締役。社名、冠名である「チョウサン」は名字に由来する。主な所有馬はオジュウチョウサン(16、17、18年中山グランドJ、16、17年中山大障害)、ケイアイチョウサン(13年ラジオNIKKEI賞)。一口馬主では最初に持ったサッカーボーイを筆頭にステイゴールド、牡馬3冠のオルフェーヴル、牝馬3冠のジェンティルドンナなどを所有。競馬以外の趣味は株とゴルフ。

 ◆オジュウチョウサン 父ステイゴールド 母シャドウシルエット(母の父シンボリクリスエス) 牡7歳 美浦・和田正一郎厩舎所属 馬主・チョウサン 生産者・北海道平取町の坂東牧場 戦績23戦13勝(うち平地3戦1勝) 総獲得賞金5億4383万9000円。

 ▽開成山特別VTR 12頭立て、福島芝2600メートル。やや重馬場。好スタートを決めたオジュウチョウサン&武豊は4番手を追走。向正面から促して徐々に進出を開始すると、残り600メートル過ぎで先頭へ。G1並みの歓声が湧き上がる中、鞍上は直線でステッキ5発。ラストは悠々と流し、2着に3馬身差をつけゴール。勝ち時計は2分42秒3。上がり3F37秒1はメンバー最速。

 ▽有馬記念の出走条件 平地重賞の出走条件として古馬重賞は平地収得賞金0円の未出走及び未勝利馬は出走できないと規定。その上で、重賞では優先出走権を持つ馬以外は出走馬決定賞金順により出走の可否が決まる。例外はファン投票による優先出走権がある有馬記念&宝塚記念。有馬は第1回特別登録をした馬のうちファン投票上位10頭に優先出走権が与えられるため、今年の宝塚のファン投票で43位(出走メンバー中9位)だったオジュウが上位に入れば出走の可能性が膨らむ。ただ、有馬出走となると競走出走から5日以内に実施される競走には出走投票できないという規定があり、3連覇が懸かる中山大障害には出走できない。

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