【天皇賞・秋】モレイラ、相思相愛グレーザー詣「本番楽しみ」

[ 2018年10月26日 05:30 ]

栗東初見参のジョアン・モレイラ騎手
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 短期免許で来日中のジョアン・モレイラ(35)が25日、栗東トレセンに初見参した。天皇賞・秋で騎乗するサングレーザーと初コンタクトを取るための気合の栗東入り。これまで4度騎乗し、まだ勝ち星のないJRAのG1獲りへ確かな手応えを感じ取った。

 どこにいても注目を浴び、誰もがその手腕にほれぼれする。先月の美浦トレセンでの初騎乗と同様、栗東トレセンでも朝からモレイラがいることで「モレイラがいるぞ」と、どこからともなくつぶやきが聞こえてきた。

 そんな外野のざわめきを意に介さず、サングレーザーにさっそうとまたがったモレイラ。追い切りは24日に済ませているため、この日は浅見厩舎恒例の追い切り翌日メニューのポリトラックコースへ。スキッピングロック(2歳新馬)とヤマニンマンドール(6歳障害未勝利)の僚馬2頭を先導役にキャンターで1周した。

 リズミカルに歩みを進める相棒の感触を確かめ、ゴール板を過ぎてスピードが緩んだその時、レースでも折り合いが鍵のサングレーザーが3頭隊列の一番後ろで少々行きたがる素振りを見せた。だが、その瞬間にモレイラのマジックショーが開幕。短い手綱で魔法のように馬を御す“マジックマン”は、ハミを使って押さえ込むのではなく、こぶしを動かさず体の重心を移動させるだけでピタリとなだめた。

 「健康的で彼自身がとてもハッピーな状態。追い切りじゃないからスタミナは分からないけど、全体的にいい。リラックスしていた。少し行きたい気持ちを持っていた気もするが、状態がいいから走りたいだけ。無理に抑える必要はなく、レースはリラックスして折り合えると思う。一緒に乗っていた札幌記念のパフォーマンスには感動したから、フィーリングを確かめて本番が楽しみになった」

 ここはG1馬7頭を相手にする挑戦者だが「ノット、イェットなだけ」と名手はキッパリ言い放った。勝てる力がないのではない。ただ単に「まだ」なだけ。それは今年、2カ月足らずで51勝(うち重賞2勝)と勝ち星を量産する自身にも同じことが言える。人馬初G1、厩舎の天皇賞・春秋制覇へ。ファーストコンタクトで相思相愛となったコンビが大仕事をやってのける。

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