【天皇賞・秋】(1)ステファノス 希望の内枠を引き当てた

[ 2018年10月26日 05:30 ]

厩舎周りを引き運動で調整されるステファノス
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 G1で3度の銀メダルがあるステファノスは4度目の秋天挑戦。1枠1番を引き当て悲願のタイトル奪取を狙う。

 4度目の正直だ。待望の内枠を引き当てたステファノスが、ベテランの意地を見せる。

 「1枠1番」。シンプルイズベスト。この真っすぐ頂に向かって伸びる数字が見たかった。これまで天皇賞・秋では15年14番2着、16年14番3着、17年12番10着。雨の極悪馬場だった昨年は参考外としても、15、16年はともに上がり3Fメンバー最速の末脚を繰り出しながら、惜敗に涙をのんだ。道中をロスなく立ち回れていれば…。国内外のG1に12回出走し、2着が3回。その一つが15年天皇賞・秋だ。

 担当の藤野助手は当時を振り返りつつ、まるでつきものが落ちたかのように晴れやかな表情だった。「出が遅いし二の脚も遅いから内枠が当たらないと内を走れない。東京の芝2000メートルはポケットからスタートだからなおさら。3年連続で外枠だからね。とにかく内が欲しかった」

 今年7歳。不利な外枠で戦いながら、自身の加齢とも戦ってきた。「前走は帰ってきてから代謝が悪くて体に熱がこもり、息が上がっていた。年齢のせいかもだけど、今は涼しい分、楽になっている。使って筋肉も張りが出た。動きも力強いし年齢的にも今回がラストチャンスと思っている。若いフレッシュな馬たちが出てくるが、東京芝2000メートルはベスト。意地を見せたい」と同助手も言葉に力を込める。

 新コンビを組むコルム・オドノヒュー(37)も「真ん中から内、なるべく有利な枠が欲しい」と話していたが、まさに希望通りの1番枠。「これまでのレースは全部チェックした。経験値が高い馬だし、状態さえ良ければいいレースになる。楽しみだよ」と腕をぶす。

 アイルランドの名門エイダン・オブライエン厩舎で経験を積み、2年前から同国の女性調教師ジェシカ・ハリントン厩舎で主戦を務めるオドノヒュー。今シーズンはアルファセントーリとのコンビで愛1000ギニーからジャックルマロワ賞までG1・4連勝を達成するなど波に乗っている。

 短期免許では3度目の来日だが「日本の競馬はレベルが高く、いいイメージしかない。ぜひ結果を出したい」。キャリアを重ねた人馬が、大一番で“化学反応”を引き起こすか。

 ◆コルム・オドノヒュー 1980年(昭55)11月13日生まれ、アイルランド出身の37歳。97年にエイダン・オブライエン厩舎所属の見習騎手としてデビュー。その後、約20年にわたり同厩舎の主戦の一人として活躍。ジョシュアツリーの10年カナディアン国際S、トレジャービーチの11年愛ダービーなど各国のG1を制覇した。16年からハリントン夫人厩舎の主戦となり、今年はアルファセントーリで愛1000ギニー、コロネーションC、ファルマスS(英国)、ジャックルマロワ賞(仏国)とG1・4勝。短期免許での11年12月、12年10〜11月に次いで3度目。JRA通算53戦4勝。

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