【天皇賞・秋】小さな名牝ヴィブロス好感触、引退まで全力投球

[ 2018年10月24日 05:30 ]

紅葉を背に調教へ向かうヴィブロス(撮影・平嶋 理子)
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 【G1ドキュメント・栗東=23日】今、空前の初孫フィーバーに沸いている秋田家。先日、3800グラムのビッグサイズで誕生した我がめいっ子。誕生時2600グラム、背の順で前から3番目以降になったことがない秋田にはうらやましい限り。そんな自分と重ね、大きい相手に立ち向かう小兵の応援には力が入る。天皇賞・秋ならば紅一点、440キロあるかないかの体で牡馬に立ち向かうヴィブロスだ。栗東出張の初日は、宝塚記念4着から直行する同馬の現況を担当の安田助手に聞いた。

 最終追いで時計が速くなり、本番で掛かってしまった昨年のエリザベス女王杯以降、1週前にCWコースでビシッと追い、当週は坂路でサラッとのパターンで精神的にいい状態を保てるようにしていたが今回は違う。2週前にCWコースでビシッと追い、1週前は坂路だった。その理由を安田助手は「元々仕上がりは早いが、今回は2週前の段階で体は仕上がった感じに。さらに追い込む必要はないので1週前は坂路で福永さんに乗ってもらい、しまいの反応を確かめてもらった」と説明してくれた。

 その1週前追いは、残り100メートルで仕掛けられるとピリリと辛い山椒(さんしょう)のごとくはじけた。4F52秒9と入りはゆっくりだが、ラスト1F12秒1は少し馬場が荒れた時間帯も考えれば上々の伸び。「メリハリが利いていい動きだった」と安田助手も好感触を得ている。

 年内引退が決まっている愛馬。「僕の夢だった海外競馬出走をかなえてくれて、しかも勝ってくれた。感謝の気持ちでいっぱい。寂しい気持ちもあるけど、今は目の前の競馬のことだけ。こちらが思った以上に成長してくれたし、バネがあって体を大きく使う。小さくても体幹が凄くいい。走ることが好きなタイプでもある」と安田助手は孫自慢ならぬ愛馬自慢に目尻を下げつつ、悔いが残らぬよう全力投球を誓った。

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2018年10月24日のニュース