【菊花賞】ブラスト迫力満点!池添ラスト1冠「何としても」

[ 2018年10月18日 05:30 ]

<菊花賞>3頭併せで追い切るブラストワンピース(右)(撮影・村上 大輔)
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 7年ぶりの菊制覇へ乱戦を一刀両断。牡馬3冠最終戦「第79回菊花賞」(21日、京都)の最終追いが17日に美浦、栗東トレセンで行われ、新潟記念から異色のローテーションで臨むブラストワンピースが、美浦Wコースで迫力満点の動きを見せつけた。ダービー2番人気(5着)に支持された大器が万全の仕上がり。11年オルフェーヴルで菊花賞を制した主戦・池添謙一(39)はラスト1冠獲りへ並々ならぬ決意だ。なお、同レースの出走馬、枠順は18日に確定する。

 ラスト1冠は譲れない。誰にも渡したくない。「ブラストにとっては一生に1度しかないから。何としても一緒に獲りたい」。ポーカーフェースの池添が珍しく語気を強める。唯一の敗戦となったダービー5着が、今でも脳裏に焼き付いて離れない。府中の直線で進路確保に苦しまなければ…。11年オルフェーヴルとのコンビで3冠を達成した7年前の菊花賞とは違う意気込みと重圧が交錯する大一番。心底ほれ込んだ相棒の能力を信じ、最後のクラシックに挑む。

 最終追いは調教助手が騎乗して3頭併せの最後方を追走。直線で内へ入ると、重戦車ともいうべき雄大な馬体が躍動した。蹄音を響かせて僚馬2頭をあっさり突き放す。馬なりで2馬身先着する圧巻のパフォーマンス。追い切り後は急きょゲート練習へ向かい、池添は1週前追い以来またがった。「落ち着きがあった。状態に関してはいい雰囲気」。デビューから全5戦で手綱を取るパートナーから好感触を感じ取った。

 今年、一時的に拠点を移した池添は、騎手生活21年目で初めて美浦でダービーウイークを迎えた。「ブラストは縁を感じる馬。思い入れがある馬」とほれ込むパートナーの調教に積極的にまたがった。だからこそ唯一、土が付いたダービーが悔しくてたまらない。「自分がもっとしっかり乗れれば助けてあげることができた。悔しい。それだけが自分の中にある」。リベンジを果たせるのは菊花賞しかない。「折り合いに不安のない馬。3000メートルは大丈夫」と言い切った。

 異例のローテで新たな歴史を築く。前走の新潟記念で歴戦の古馬を撃破。向正面で肩ムチを入れただけで直線ノーステッキ。上がり最速33秒5の末脚で突き抜けた。「経験豊富な馬たちを相手に強い勝ち方。いい内容だった」。圧勝でもデータはNOを突きつける。新潟記念に出走して本番へ向かった馬は過去4頭で11着が最高。だが、陣営は良績ある左回りで弾みをつけ、余裕を持ったローテで臨むことが狙い。強ければ本番前のひと叩きや、ステップレースは必要ない。鞍上も本番からの逆算を頭に入れている。

 池添が挙げたG1・23勝は全て関西馬でのもの。淀の長丁場は「この馬が一番強い」という自信を確信に変える舞台だ。自身初となる関東馬でのG1初制覇へ。人馬とも歴史に新たな1ページを刻み込む。

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