【菊花賞】エタリオウ 頭差遅れでも大丈夫!友道師は太鼓判

[ 2018年10月18日 05:30 ]

<菊花賞>アドマイヤデジタル(右)とユーキャンスマイル(左)と併せて追い切るエタリオウ(撮影・平嶋 理子)
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 「第79回菊花賞」の栗東最終追いで、神戸新聞杯2着で上昇一途のエタリオウが気迫の3頭併せ。手応えは劣勢ながらも、最後まで必死に走り抜いた。スタミナ自慢の父ステイゴールドの血を背に、史上初の1勝馬の菊花賞制覇の期待が膨らむ。美浦ではラジオNIKKEI賞2着のフィエールマンが上々の動き。こちらは05年3冠馬の父ディープインパクトの血を武器にラスト1冠奪取を狙う。

 エタリオウの最終追いは一瞬「?」を感じたかもしれない。CWコースの3頭併せ。前にアドマイヤデジタル(3歳500万)、後ろに武豊騎乗ユーキャンスマイル(菊花賞)を従え、折り合いをつけ、直線は真ん中へ。しかし…。手綱を抑えたままで楽に先着したのは内スマイルの方。対して、エタリオウは必死に手綱をしごいて頭差遅れ。これでいいのか!?

 ただし、友道師の表情は穏やかだ。「最後は(体重が軽い)ジョッキーと助手の差もある。問題ないと思う。最後まで集中力が続いて、真面目に走っていた」

 なるほど、6F83秒4〜1F11秒7(いっぱい)で時計は水準以上。先週11日は同コースでM・デムーロを背に6F80秒8としっかり負荷をかけ、鞍上も「いい動き。神戸新聞杯(2着)は凄くいい脚を使ったし、3000メートルになっても楽しみ」と笑顔で証言した。秋晴れの爽やかな空同様、一点の曇りもない。

 ダービーより菊花賞。指揮官は愛馬の特性を把握し、春当時からラスト1冠にウエートを置いてきた。転機は春最後のダービー(4着)。後方で脚をためて、上がり3F33秒5の鬼脚で他馬をゴボウ抜き。同師は「当時ボウマンが“集中力が続かない面があるから、最後の一瞬の脚にかけた方が合っている”と…。ダービーからこの馬のスタイルが確立した。前走の神戸新聞杯も同じ戦法で伸びた。ダービーを使う前から、夏を越して長距離で良くなると思っていた。真面目になりすぎずに遊びがある分、むしろ距離は持つと思う」と期待を込めた。

 すでに皐月賞、ダービーを制している同師にとっては“3冠奪取”が懸かる大一番。「僕のことは別として、馬には頑張って獲ってもらいたいです。ある程度流れてくれれば、この馬の切れ味が生きると思う」。

 過去78回の歴史で1頭も達成していない「1勝馬の菊制覇」の偉業。指揮官は自身の記録より愛馬のラスト1冠を第一に願い、主戦のM・デムーロにバトンを託した。

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2018年10月18日のニュース