【秋華賞】プリモシーン、ラスト1冠へ淀で舞う

[ 2018年10月11日 05:30 ]

3頭併せで追い切るプリモシーン(手前)(撮影・郡司 修)
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 【G1ドキュメント・美浦=10日】開門直後のWコース。小田の双眼鏡は向正面の3頭を追っていた。前からレッドエレノア(4歳500万)、アーチキング(5歳1000万)。2馬身ずつの等間隔で最後尾がプリモシーン。直線は最内へ。4F52秒5〜1F12秒2(馬なり)。騎乗した北村宏が手綱を抑えたままで前2頭に一瞬で取りつく。鋭く、弾むように楽々と併入した。

 前走・関屋記念(1着)のレース以来の騎乗となった北村宏は「中間もいい状態と聞いて、乗るのを楽しみにしていた。夏と比べて体幹がしっかりしてパワーアップしている」と声を弾ませた。木村師も「先週も自分のリズムでいいフットワークで直線も真っすぐ走れていた。成長を感じている」と目を細めた。

 関屋記念では強烈な瞬発力で古馬陣を一蹴し、重賞2勝目。指揮官は「夏に頑張ってもらって、もう1回(トライアル)頑張ってG1に行くのは、ちょっとかわいそう」と秋華賞直行を選択。9月15日にノーザンファーム天栄(福島)から美浦に帰厩し、順調な調整過程を踏んでいる。

 全6戦がマイル。鍵は初の2000メートル克服だろう。「今までとは違って器用に立ち回る競馬。工夫する必要は感じている」と同師は思案する。北村宏は「うまくスタートして流れに乗せたい。競馬は上手な馬なのでしまいを生かしたい」。春の課題だったゲートに細心の注意を払う。

 同じ勝負服の2冠馬アーモンドアイは最大のライバル。指揮官は「国枝先生からアーモンドアイのジャンパーをもらった以上は空気も読んで…」とニヤリと結んで笑わせた。もちろん、師にはラスト1冠奪取の思いしかない。桜花賞で抜け出した馬を一瞬プリモシーンと勘違いした小田は、今度こそは突き抜けても驚けない…と思っていた。

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2018年10月11日のニュース