【凱旋門賞】クリンチャー“ジャイキリ”の準備は整った!

[ 2018年10月7日 05:30 ]

凱旋門賞へ向け調整するクリンチャーを見守る武豊騎手(中央)と宮本博調教師(右)
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 歴史的瞬間を見届けよう。世界最高峰G1「第97回凱旋門賞」(パリロンシャン競馬場、芝2400メートル)は、7日、日本時間午後11時5分にゲートイン。日本競馬の悲願に挑むのは“意外性の男”クリンチャー。鞍上は凱旋門賞7度目の挑戦で、初戴冠を目指す4000勝ジョッキーとなった日本のレジェンド・武豊(49)。現地での最終調整も終え、絶好の最内1番ゲートから、日本での走りそのままに世界をアッと言わせる。

 土曜朝のシャンティイは朝日がまぶしいくらいの快晴。レース当日は雨予報だが「本番でホントに降るの?」と思うくらい。いざ大一番へクリンチャーはエーグル調教場のダートコースでキャンター、最終調整を終えた。宮本師は「悔いのない仕上げができた。最高に近い状態。1番ゲートも引けたし、これで駄目だったら力差があるということ」。やることはやった。澄み切った青空に、充実の表情が映えた。

 鞍上の武豊は前人未到のJRA4000勝を達成してフランス入り。5日はサンクルー競馬場で2鞍に騎乗し、6Rで勝利。そして、凱旋門賞前日6日にはパリロンシャン競馬場で1鞍に騎乗。3Rの芝2000メートル戦で人気薄のマジックソング(牝4=小林智)を2着に導き完璧な試走を行った。

 「今日は仮柵のついた馬場だったからね。もっと軟らかくなってほしい。でも、パリロンシャンは気持ちいいし雰囲気もいい。今のレースも惜しかった。この2日は思うようなレースができています」

 リズムは最高潮。クリンチャーは絶好の1番ゲート発進だ。「内の方がいいかな、とは思います。雨は降った方がいいとは思うけど、天気はどうすることもできない。与えられた条件で競馬をするだけ」と締めた。

 1969年のスピードシンボリから20頭の日本馬が凱旋門賞に挑戦してきた。確かに、近年の出走馬と比べると実績は落ちるかもしれない。単勝244・8倍で勝った未勝利戦。10番人気でアッと言わせた菊花賞2着。クリンチャーには“意外性”がある。

 今年は大坂なおみがテニス全米オープンでV、日本人による初の4大大会優勝に歓喜した。大谷翔平はメジャーリーグで二刀流に挑戦。勇気をもらった。海外で日本人が輝いたスポーツ界。今度はクリンチャーと武豊が世界を驚かせる時。競馬界史上最大の“ジャイアント・キリング”の目撃者になろう。

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2018年10月7日のニュース