4000勝ジョッキー武豊、唯一足りない「凱旋門賞」の勲章

[ 2018年10月5日 05:30 ]

「いつかは凱旋門賞を勝ちたい」。シャンゼリゼ通りで凱旋門をバックにポーズを決める武豊
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 【競馬人生劇場・平松さとし】武豊騎手がJRA通算4000勝を達成した。

 歴代2位の岡部幸雄元騎手を1000勝以上も上回る前人未到の大記録だが、ご存じのように、これはあくまでもJRAのレースのみでの記録。地方競馬や海外のレースも含めれば、とうの昔に4000勝以上をマークしていることになる。

 ちなみに海外でも多くの国で勝ち星を挙げており、私の元にも親交のあるM・キネーン元騎手やE・プラード騎手ら多くの名手から「ユタカにおめでとうと伝えてくれ」と連絡が入っている。実際、私も英国、フランス、米国、ドバイ、香港などで彼が勝つシーンに幾度となく立ち会わせていただいた。

 日本馬の背で海外G1を勝った場面は全て生で見させていただいた。米国で一日に2勝した日や日本人の息がかかっていないフランスの馬で勝ったG1、シャーガーCでその日のベストライドに選ばれたレースなど、印象に残っているレースはたくさんある。そんな中で最も感動したのは南フランス・トゥールーズでメインレースを勝った時。この日、後のJRA4000勝ジョッキーはわざわざ1レースに乗るためにパリのシャルルドゴール空港から飛行機で現地へ飛んだ。ご一緒させていただいた結果、勝利するシーンを目の当たりにできて、感動したものだ。

 そんな武豊騎手だが、まだ勝てていないレースもある。今週末、フランスで行われる凱旋門賞もその一つだ。今年はクリンチャーと共に挑戦するため、1日の月曜日にはフランス入りしている。

 肝心のクリンチャーは前哨戦のフォワ賞で敗れ、正直、厳しい戦いになることは疑いようがなくなっている。しかし「どれか勝ちたいレースを1つ挙げろと言われれば迷いなく凱旋門賞と答えます」と語る武豊騎手の思いが成就することを願うファンは数多い。もちろん私もその一人。勝てば最も感動したレースが更新されることになるだろう。

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2018年10月5日のニュース