【スプリンターズS】速い流れで一変ムーンクエイク伸び伸び

[ 2018年9月27日 05:30 ]

<スプリンターズステークス>ムーンクエイク(撮影・郡司 修)
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 【G1ドキュメント・美浦=26日】ムーンクエイクの馬上で鳩が豆鉄砲を食らったような顔を浮かべている。「ここまで変わるとは…。下ろしがけのキャンターから行きっぷりが凄く良くなりました」。調教役を務めた木幡育は声を弾ませた。「速くなるほどトモが(しっくり)ハマってきて、楽に行けるんです。渋るところもなくなって前へ行こうとする気持ちが出てきました」。前走・キーンランドCで1200メートルの速い流れを初経験したことで生じた変化だった。

 Wコースでスターオブペルシャ(5歳オープン)の5馬身後方から栗毛が躍る。馬なりのまま外から半馬身先着。「時計(5F67秒9)は遅いけど動きは良かった。1200メートル戦も2度目なら違うよ」と見届けた藤沢和師。「今春までは掛かって行きたがる馬に“行くな、行くな”と言っていたのに、前走1200メートルの速い流れになった途端に“行け”だから。馬だって困っちゃう。戸惑っていたもの」。独特の語り口で説明する同師。「それでも、しまいはしっかり伸びていたし、札幌よりも中山の方がレースしやすいだろうね」と続けた。

 大外に膨らむなどの悪癖を解消するため去勢したのは一昨年の3歳夏。セン馬になって8戦5勝の快進撃で今春の京王杯SCを制した。師は気性の難しい馬の癖を熟知し、全6勝を挙げた主戦・ルメールの手綱にこだわっている。安田記念ではモズアスコットと先約のあった同騎手が乗れないため回避したほどだ。そんな頼りにされる主戦は「引っ掛かるけど、スピードがあって長い末脚を使う。タフな馬」と言う。鳩が豆鉄砲を食らったような木幡育の顔を目の当たりにした長老記者・梅崎。豆を大穴弾に詰め替えて勝負するつもりだ。

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2018年9月27日のニュース