【大井・東京記念】的場、38年連続重賞V!前人未到の62歳

[ 2018年9月20日 05:30 ]

<第55回東京記念>レースを制したシュテルングランツ。騎乗した的場文男騎手はガッツポーズ(撮影・郡司 修)
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 「大井の帝王」にまた新たな勲章が加わった。今年からS1に昇格した「第55回東京記念」が19日、TCK11Rで行われ、的場文男(62=大井)騎乗の2番人気シュテルングランツ(牡7=浦和・小久保智厩舎)が逃げ切り勝ち。同騎手にとって13年ぶり8度目の東京記念制覇が今年初の重賞勝ちとなり、1981年から38年連続重賞勝利の快挙を達成した。同時に、自身が持つ最年長重賞勝利記録(61歳3カ月23日)を62歳12日へと更新した。

 口取りのシュテルングランツの上で、高々と上げた的場の右手が誇らしげだ。自身の記録を更新する38年連続重賞勝利、そして62歳12日での最年長重賞勝利。レジェンドの面目躍如だった。

 「この年齢でもまだ重賞が勝てるんだ。全てファンのご声援、関係者の皆さんのおかげ。感謝の気持ちでいっぱいです」

 会心の騎乗。前走・東京記念トライアルを逃げ切った時は「最高に乗れた」と振り返ったが、この日は「それ以上に最高に乗れた。これで負けたら仕方ない、という感じだった」と満面の笑みを振りまいた。

 好スタートと同時に素早くハナを奪う。「落ち着け、落ち着け」と馬に声を掛けながら、折り合いをつけて後続を引っ張っていく。4コーナーでも手応えは十分。追いだしを最後まで我慢して、残り200メートルでこん身のステッキを繰り出すと後続を一気に引き離した。1番人気に支持された2着馬カツゲキキトキトに3馬身差をつけ、ゴールでは右手でガッツポーズをつくる余裕まで見せた。

 「馬とうまく会話しながらレースができたのが一番の勝因。1周目は少し掛かったけど、ハミを入れ替えてから落ち着いてくれた。本当に賢い子」

 同馬を重賞初挑戦初Vに導いた的場はパートナーを称えた。

 シュテルングランツを管理する小久保師も「中央での成績からこのくらいはやれると思っていた。馬はまだ体調を戻していた段階。これから調教を積めばもっともっと良くなるはず」と目を細め、次走として11月4日に京都競馬場で開催されるJBCクラシック(Jpn1)に直行することを明言。同師が「的場さんとJBCで優勝して一緒に写真が撮りたいね」と話せば、的場も「馬は一戦ごとに強くなっている。JBC(クラシック)は地方代表として思い切ってやりたい」。11・4。騎手デビューから46年目、大井の帝王が淀に初見参する。

 ◆シュテルングランツ 父ステイゴールド 母トゥースペシャル(母の父トゥーパンチ) 牡7歳 浦和・小久保智厩舎 馬主・酒井孝敏氏 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績34戦7勝(南関東3戦2勝) 総獲得賞金1億2806万円。

 ◆的場 文男(まとば・ふみお)1956年(昭31)9月7日生まれ、福岡県大川市出身の62歳。東京都騎手会所属。73年10月16日、ホシミヤマで初騎乗5着も騎乗停止。同年11月6日、同馬で初勝利。77年アラブ王冠賞(ヨシノライデン)で重賞初制覇。今年8月12日、地方競馬最多7152勝を達成。地方競馬通算4万686戦7169勝。JRA124戦4勝。海外3戦1勝。重賞通算155勝。勝負服「赤・胴白星散らし」。思い出の馬はカウンテスアツプ。1メートル65、50キロ。血液型A。

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