【高知・共同通信杯】平原、貫禄V 冷静“ギアチェンジ”魅せた

[ 2018年9月18日 05:30 ]

第34回共同通信社杯で優勝した平原康多
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 G2「第34回共同通信社杯競輪」決勝戦が17日、高知競輪場で行われ、平原康多(36=埼玉・87期)が直線伸びて優勝。賞金2130万円(副賞含む)を獲得した。平原の共同通信社杯優勝は初。G2優勝は06年8月のふるさとダービー富山以来2回目。2着は清水裕友、3着は浅井康太だった。

 最後は貫禄だった。勝ち慣れた者の強みというべきか。まくり切って踏ん張る山崎賢。郡司と山田の間を割った清水が懸命に追いかける。平原は、直後で全てを眺めながら手ぐすねを引いていた。清水が山崎賢をかわす。若手が死力を尽くし切った時、外から平原が飛んできた。1/4輪差。しかし、平原には着差以上の余裕があった。全てを見通し、勝つべくして勝った。

 「全く考えないで行った方がいいと思っていた。体が反応してくれた」。単騎が3人の超細切れ戦。最終ホームでは村上義が落車。若手は勝ちたい気持ちをむき出しにした。混乱した戦場で1人、平原だけが冷静だった。流れを読み、自然と体が動いた。

 今年のビッグレース戦線。平原の実力からすれば物足りない面もあった。8月のG1オールスターでは最終日に落車。続く富山記念こそ決勝2着だったが、今開催を万全の状態で迎えたわけではなかった。初日、全く伸びを欠いて4着。ああ、やはりと周囲は思った。しかし、平原はそこから修正した。悪い時には悪いなりの走りが平原にはある。2日目以降、完全に本来の動きを取り戻した。「ケガに加え、試行錯誤も多く、失敗の繰り返しだった。それでも結果が出せて良かった」。迷いながらも正解を出せる。これが平原最大の強みだ。

 昨年2月の全日本選抜以来のビッグレースV。賞金ランキングは3位に上昇し、グランプリ出場がほぼ確定した。「グランプリもだが、次の寛仁親王牌を勝つことを目指したい」。最強のオールラウンダー。年末に向けて、さらに加速していく。

 ◆平原 康多(ひらはら・こうた)1982年(昭57)6月11日生まれ、埼玉県狭山市出身の36歳。県立川越工卒。02年8月プロデビュー。通算1122戦346勝。通算取得賞金は10億8378万円。G1は7勝。主な優勝は第60、61回高松宮記念杯(09、10年)、第51、56、58回小倉競輪祭(09、14、16年)、第28、32回全日本選抜(13、17年)。1メートル85、95キロ。血液型A。

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