【キーンランドC】ビーナス圧逃V!モレイラJRA重賞初制覇

[ 2018年8月27日 05:30 ]

キーンランドCを逃げ切りで制したモレイラ騎乗のナックビーナス(左)
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 札幌競馬場で26日行われた「第13回キーンランドC」(サマースプリントシリーズ第5戦)は、1番人気ナックビーナスが逃げ切って重賞初制覇を飾り、スプリンターズSの優先出走権を獲得した。鞍上のJ・モレイラ(34)はJRA重賞初勝利を飾った。

 モレイラがスタートで魔法をかけた。ナックビーナスはポンとゲートを飛び出し、一瞬にして1馬身半のリード。そこから後続を引き付ける形で前半600メートル通過は33秒7。やや速い流れだったが、4角を回っても十分に手応えは残っていた。直線で一気に突き放す。もつれた2着争いを尻目に、2馬身半差をつけてゴールを駆け抜けた。意外にも鞍上はJRA重賞初V。歓喜に沸くファンの前で手を胸に押し当て「So Happy!」と声を上げ、快逃を振り返る。

 「特に逃げると決めていなかったけど、スタートで飛び出したので先頭でレースを進めました。道中も折り合いが付き、最後の1Fは馬なりで勝つことができた。札幌が特別な場所になりました」

 “マジックマン”と称される男は土日で9勝。この札幌開催8日間で31勝と勝ちまくった。来年のJRA通年騎手免許取得を表明しており、レース以外の時間は合格へ向け“猛勉強中”だ。「日本で活躍したいという夢がある。大事なステップだと思っているし、家族も呼び寄せている。10月の試験のことは、凄く頭の中にあります」。今夏の短期免許での騎乗は終わったが、当面は日本に残って試験への準備を進める予定。また、今秋にもJRAで短期免許を申請することが決まっている。

 ナックビーナスは12度目(交流重賞含む)の重賞挑戦で念願の初勝利。惜敗続きがウソのような快勝だった。田面木助手は「こんなに圧勝したのは初めてじゃないかな。優先出走権を取れたのが大きい」。今後はスプリンターズS(9月30日、中山)へ向かう予定。魔法で開眼した女神が堂々とスプリント界の強豪に立ち向かっていく。

 《騎乗11度目で》モレイラは今回JRA重賞11度目の騎乗。これまでの最高着順は16年キーンランドC(シュウジ)と同年札幌記念(モーリス)の2着。また杉浦師の重賞Vは12年京成杯AHのレオアクティブ以来で通算13勝目。

 ◆ナックビーナス 父ダイワメジャー 母レディトゥプリーズ(母の父モアザンレディ) 牝5歳 美浦・杉浦厩舎所属 馬主・小松欣也氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績27戦7勝(うち地方1戦0勝) 総獲得賞金2億7137万8000円。

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