「ここで乗ってみたい」武藤雅の飛躍を願う!!

[ 2018年8月17日 05:30 ]

ニューマーケットの調教場で有名なウォーレンヒルをバックにした武藤雅(撮影・平松さとし)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】武藤雅騎手から連絡が入ったのは私がアイルランドにいた時だから、先月の下旬だ。

 7月27日に自転車で転倒。左手の親指の付け根を骨折した彼は、しばらく競馬に乗れなくなったため、「その間を利用して外国の競馬を見学したい」と言ってきた。私は今月3日から14日まで、ジャックルマロワ賞を取材するためにフランスと英国へ渡る予定だったので、それに合わせる形でなら案内できると答えると、二つ返事で承諾した。

 結局、パスポートの有効期限の関係でフランスへは渡れないことが判明したが、それでも諦めることなく「英国だけでも」と8日に同国入り。空港で待ち合わせると、まずブリューベリーへ移動。ジャックルマロワ賞に出走するアクシデンタルエージェントのJ・ホートン厩舎を翌朝に見学すると、その後、ニューマーケットへ。そこでは以前、三浦皇成騎手が籍を置いたマーク・プレスコット厩舎を見学させてもらい、その後はロンドンへ移動。シャーガーCのため、かの地入りしていた武豊騎手と合流し、食事。翌日にはシャーガーCを観戦。それらの合間にはニューベリー競馬場やニューマーケット競馬場も視察した。

 私はここでフランスへ渡ったが、武藤騎手はその後、1人でニューマーケットへ戻り、また厩舎を見学させてもらったそうだ。

 デビューして間もない頃、彼は言っていた。「外国の競馬にも興味があるので、いずれ見てみたいし、乗りたいです。でも、今はまだ日本国内で勉強しなくてはいけないことが山積みなので、タイミングを見て考えたいです」

 今回は文字通りケガの功名での遠征。馬に乗られなかったがニューマーケットの丘を疾駆するサラブレッドを見て、つぶやくようにポツリと言った。「ここで乗ってみたいです」

 いずれその願いがかなうよう応援したい。そのためにもまずはケガを治し日本での競馬でさらなる飛躍ができることを祈っている。

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2018年8月17日のニュース